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戦略・戦術

第71回 『日本高齢化加速、人口ビジネスを知っておこう』~人口ビジネス!それでは行き詰まるどう変化するか?~

継続経営 百話百行

(2)今の日本の実情

日本は人口減少が思ったよりも早く進んでいる。


1) 都道府県別人口減少

国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口平成29年推計によると
https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2022.asp?fname=T12-06.htm

2015年から、2045年の人口減少率は
全国で16.3%
人口がプラスになるのは、東京1県だけで
他46県は総てマイナス。

中でも
秋田県は、-41.2%と、ほぼ半減する。

2) 人口推移


https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2022.asp?fname=G02-02.gif

2005年近辺で日本は人口減少期に入っている。
それより前の1995年には、生産者人口と呼ばれる
15~64歳の人口減少が始まった。


3) 日本の人口ランキング

世界の人口ランキングを見ると
https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2022.asp?fname=T01-16.htm

日本の人口ランキングは
1950年 5位
2020年 11位
2050年 17位
2100年 36位

と、年々下がっていく。
人口ランキングの低下が、国力の低下
しいては、幸せで無い国になっていくのか?

2020年の人口で比較すると
日本 1億2,647万人
ドイツ 8,378万人
イギリス6,788万人
イタリア6,046万人
スペイン4,675万人
スウェーデン1,035万人
デンマーク 583万人

これらの、日本より人口が少ない国は
国力が低く、豊かでなく、不幸せな国か?
というと、そうではない。

日本より魅力的な国も
たくさんあるのだ。

だから、人口の大小と
国の魅力度が比例するわけではない。

4) 女性の労働力増加は望めない?

日本の労働者人口が減少し
働く人が不足することから
日本は、3つの人を働いてもらうように
していった。

1つは、高齢者。
60歳が定年だった昔に比べ今では
定年も65歳に延び
65歳以上で働いている人は
男性で3人に1人、女性で6人に1人と
増えている。

2つ目は、外国人。
外国の方が日本で働くのは
年々増加していった。
しかし、コロナで
入国が難しくなった。

3つ目は、女性。
特に、結婚後、出産後の人。
これは、ものすごく成功し
1980年には、専業主婦が1,114世帯、共働き世帯が614世帯と
専業主婦対共働きは、約2:1だったのが

2020年には、専業主婦が571世帯、共働き世帯が1,240世帯と
専業主婦対共働きは、約1:2と
逆転した。

結婚していても働いている人が増え
人数割合だと、結婚しても働くが普通になったのだ。

そして、その他に女性の働く人が増えている要因が
未婚率の上昇だ。

結婚しない人が増え、女性も生涯働くのが普通になった。
1980年生涯未婚率が女性4.5%だったのが
2015年14.1%。と、約3倍になり
さらには、予測では、
2040年には、女性の未婚率は18.7%と、約5人に1人は
結婚しない人になる。


つまり、人口が減少し
それに伴い、働く人の人口も減少する。
それをカバーするために
女性が働けるように、国や政府も試行錯誤し
働く人が増えた。

が、この先は、もう余力がなくなってきた。

人口減少で、働く人が不足する事態が
遅かれ早かれ、日本には訪れる。


5) 減少する日本の事業所と中小企業

日本は、1986年をピークとし、
事業所数は減少している。
1986年と比較すると現在は約半分になっている。

しかし、1事業所数あたりの従業者数は増加している。
1951年からは、2.2倍
1991年からも、約1.3倍になっている。
つまり、大企業化していると言うことだ。

そして、事業所数の減少は
製造業に顕著だ。
1986年の製造業比率は、13.4%だったが
現在は、8.5%と約4割減少している。

1986年にプラザ合意され
急激な円高になり、工場が海外シフトと
大企業にシフトしていったのだ。


6) 急激な高齢化

日本は世界でも最も早く高齢化している。
高齢化率(65歳以上の割合)は
1950年 4.9%(20人に1人)
1990年 12.1%(8人1人)
2000年 17.4%(6人1人)
2010年 23.0%(5人に1人)
2020年 28.9%(4人に1人)

1990年以降急速に高齢化率が上昇し
2045年の予測では、36.8%(3人に1人以上)になる。

地方で見ると、もっと高齢化率は急速に進み



2018年の高齢化率
1位 秋田県 36.4%
2位 高知県 34.8%
3位 島根県 34.0%

2045年の予測では
1位 秋田県 50.1%
2位 青森県 46.8%
3位 福島県 44.2%

と、加速する。


7) 高齢率の国際比較

2018年の比較
日本   28.1%
イタリア 23.3%
ドイツ  21.7%
フランス 20.1%
イギリス 18.7%
カナダ  17.4%
アメリカ 15.8%
韓国   14.4% 
中国   11.2% 


2020年比較
   高齢化率  中位年齢(平均年齢)
日本 28.9%   48.7歳
米国 16.6%   38.3歳
英国 18.7%   40.5歳

高齢化率で世界で最も高く
必然的に、平均年齢も高い。

日本も1990年のバブル期には、平均年齢が37.7歳と
若かったのです。

※中位年齢とは0歳時から順にならべてちょうど中心となる人の年齢です。 平均とは微妙に違いますが、答えはほぼ平均と同じなので平均と思っていただいても構いません。

このようにドンドン高齢化になっている。
それは、お年寄りが死ななくなったから?
だろうか?

平均寿命が
1891~98年(明治24~31)
の頃には、42.8歳と短かった。

それが、
2010年には、79.6歳まで伸びた。

この理由がお年寄りの人が亡くならなくなったと言われるが
本当なのだろうか?

同じ時期
75歳男性があと何年生きられるか?
というデータが残っている。

1891~98年(明治24~31)で、 6.2年
2010年では、 11.5年
と、お年寄りが生きる余命はそれほど変わらないのだ。

じゃーなぜ、平均寿命がのびたのか?
それは、
40歳過ぎるとバタバタ死んだのでは無く
乳幼児の死亡率が劇的に下がったからなのだ。

では、日本が世界で最初に直面している
「人口減少・高齢化」

どうすると良いのか?

次のページ(3)人口減少・高齢化、どうすると良いのか?

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