(7) 中小企業は未来に向けて何をすると良いのか?
1) みなが幸せに向かうように考える
2) 高齢者に働いてもらう
3) 結果、生産性アップが重要
このステップで考えると
人口減少期に上手に経営できるはずだ。
1つずつ見ていきたい。
1) みなが幸せに向かうように考える
(1) 人は苦境のなかでも幸せを見出す才能がある
挑戦は人々を幸福にする。
幸福の源泉とは、なんなのでしょうか?
ひと言で要約すると、「社会性」
だれかの幸福度を予測したいなら、
その人の性別、宗教、健康、所得を知る必要はありません
人間関係、すなわち、その人の友人や家族、
そして彼らとの絆の強さです。
だからこそ、職場や家庭の人間関係を良くするようにすると良いのです。
(2) 些細なことの積み重ねが幸せの糸口になる
豊かな人間関係以外に、私たちを日々幸福にするものは何ですか。
心理学者のエド・ディーナーの研究成果
基本的にポジティブな経験の頻度は、
ポジティブな経験の強さよりも、
幸福度の予測材料としてはるかに優れているそうです。
毎日、些細なよいことが十数回起こる人は、
本当に驚くほど素晴らしいことが一回だけ起こる人よりも
幸せである可能性が高いのです。
楽な靴に履き替えたり、奥さんに派手なキスをしたり、
フライドポテトを一本こっそりつまみ食いしたり
その些細なことが大事なのです。
我々は、一つか二つの大きな出来事が深い影響を与えると
想像しがちですが、幸福は無数の小さな出来事の総和のようなのです。
幸福を実現するには、ダイエットと同じ。
痩せたい人は一瞬で成果が出る魔法の薬をほしがる。
幸福度を高めるためにできることは、
わかり切った些細なことで、大して時間もかかりません。
ただし、毎日続けて成果が出てくるのを待たなければなりません。
幸福度を高めるためにできる些細なこと?
主なものとしては、瞑想する、運動する、
十分な睡眠を取るというように、いくつかの単純な行動を励行すること。
利他主義を実践することです。
他人を助けることは、自分にできる最も利己的なこと。
人脈を広げること。
週二回、感謝したいことを三つ書き出し、その理由をだれかに話すこと。
(3)人の幸福を決定する「5つの要素」
1.仕事の幸福
人は皆、日々すべきことを必要としている。
それがワクワクするものであれば理想的である。
「仕事に満足している」人は、長生きする。
自分の強みを活かせる仕事をしている人は、幸福度が高い。
2.人間関係の幸福
周囲の人との人間関係は、人生に大きな影響を与える。
人間関係の幸福度を高めるには、親友を持つことである。
人間関係の幸福度が高い人は、周囲の人とコミュニケーションをとったり、
仲間と集まったりする時間を意識的に作っている。
3.経済的な幸福
「物」ではなく「体験」にお金を使う方が、幸福度は高まる。
経済的な幸福度が高い人は、収入や資産の額ではなく、
経済的な安心感を大切にしている。
そして、この経済的な安心感は、過剰な借金を避け、
地道に蓄えを増やすことで得ている。
4.身体的な幸福
身体的な幸福度が高い人は、定期的な運動を欠かさず、
その結果、1 日を気持ち良く過ごしている。
また、睡眠をしっかりとり、健康的な食べ物を選ぶ工夫も怠らない。
5.地域社会の幸福
地域の活動に参加することで、自分自身の幸福度が向上する。
地域社会の幸福度が高い人は、自分の住む地域社会に貢献することで、
感謝の気持ちを「お返し」したいと考えている。
1) みなが幸せに向かうように考えるには、
まとめると、
・人間関係がよい
・仕事がある
そして、もっと、企業は、
地域コミュニケーション、
結婚に積極アプローチをした方が良いようだ。
2) 高齢者に働いてもらう
日本はすでに、高齢者がかなり働いている。
2018年の時点で
65歳以上 男性31.8% 約3人に1人
女性16.3% 約6人に1人
平均寿命も
1950年の時に、男性58.0歳 女性61.5歳が
2017年には、男性81.1歳 女性87.3歳と
飛躍的に伸びている。
その結果、働く人も増えているのです。
定年など無く、働きたい人は
ずーっと働ける。
これが、高齢化でも
働く側、雇用する側、両方により良い結果を生み出すのです。
3) 結果、生産性アップが重要
アメリカと比べると
日本は生産性が低い。
アメリカの平均を100とすると
輸送用機械産業で、60.8
宿泊・飲食業で、36.6
卸売・小売業で、32.3
なのだ。
これを払拭し、生産性を上げることにより
1人あたりの給料が上がる
それにより消費があがるのです。
今の人で、2倍の生産性を!
・客単価を上げる
→高付加価値高単価商品を作る
→もう一品買い上げを増やす
・高齢者でもできるように
機械化、自動化、仕組みの変更をする。
(8)まとめ
日本は確実に人口が減る!
対策は待ったなし。
やることは3つ!
・幸せ軸で考える
(生産性も上がるし、会社の忠誠心も高まる言うこと無し!)
・高齢者軸で考える
(生産性アップの考え方になる、幸せになる)
高齢者でもできる仕組み、機械化することで生産性は上がる
・生産性を上げる
これをすれば、高齢化、人口減少が
日本にとってより良くなっていくでしょう。
参考文献
国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口平成29年推計より
日本の中小企業 – 少子高齢化時代の起業・経営・承継 関 満博(著)より
男女共同参画白書 令和3年版より
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r03/zentai/pdf/r03_genjo.pdf
令和3年版 少子化社会対策白書より
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/index.html
総務省統計局 国際比較でみる高齢者より
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1135.html
総務省統計局 世 界 の 統 計2021より
https://www.stat.go.jp/data/sekai/pdf/2021al.pdf
統計学が日本を救う – 少子高齢化、貧困、経済成長 (中公新書ラクレ) 西内 啓(著)より
人口減少の経済学―少子高齢化がニッポンを救う! 原田 泰(著)より
2012年5月ハーバード・ビジネス・レビュー 幸福の心理学 (著)ダニエル・ギルバード
幸福の習慣 (著)トム・ラス/ジム・ハーター
公益財団法人 日本生産性本部より
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/10bad8fb307149202fee4c4be50b5f9d_1.pdf