開業10周年を迎えた六本木ヒルズと、開業6周年の東京ミッドタウンという東京・六本木にある2大人気施設のリニューアルが相次いで行われた。
5年ぶりの大幅改装となった六本木ヒルズは、「よりアッパーなリアルクローズブランドを」という利用者のニーズに応え、約40店舗の新規出店・リニューアルを実施、2階メインフロアには「ヴォッテガベネタ」「アレキサンダー・マックイーン」「ステラ・マッカートニー」などの高級ブランドや、「ユナイテッドアローズ」のレディース店などが並び、京都で約140年菓子作りをしている石田老舗がプロデュースした「クレーム デラ クレーム」にはシュークリームを求めて行列もできている。
また、麻布十番側のけやき坂通りには、LA初セレクトショップ「プラネット・ブルー」日本1号店や「バーバリー」もオープンした。
六本木ヒルズは全体でここ数年デフレの影響もあり、客単価が下がるなどした時期もあったが、アベノミクスによる資産効果でけやき坂の高級ブランド店の売り上げが今年に入って顕著に上がっていることを受け、今回のリニューアルで、2013年度は通期で前年比7%増の400億円というピークだった2006年と同水準の売り上げを目指すとしている。
エネルギーがあり、グローバルに活躍し、見る目が厳しい40歳前後をメインターゲットにした六本木ヒルズでは、今年の夏から秋にかけてもリニューアルを予定している。
■東京ミッドタウン
東京ミッドタウンは全135店舗のうち32店舗が新規店に入れ替わり、10店舗がリニューアルされた。
ミッドタウンがオープンした2007年当時は、経済状況が悪かったこともあり、アートの力で元気にしようという狙いから「JAPAN VALUE(新しい日本の価値)」を開発コンセプトに、日本の職人の技をモダンで洗練された形で展開する店を多くした。
今回のリニューアルでもその流れを継承し、新たに地方発信の食や手仕事を扱うショップを増やしているのが特徴で、中でもガレリア地下1階の食品フロアは目玉だ。
特に25坪から70坪へと一気に3倍近くも面積を拡大し、汁物やおむすびが食べられる席数15の「汁や 茅乃舎」も増設した、「だし」が全国的に爆発的な人気となった「茅乃舎」は注目だ。
茅乃舎は「地元の食材や調味料のおいしさを伝えたい」と、福岡郊外に自然食料理レストラン「久原本家 茅乃舎」を作り話題となった110余年続く醤油醸造元で、2010年に福岡以外で初出店となったミッドタウン店も大人気となっていた。
地下1階にはその他にも、農業やものづくり体験ができる施設として人気の三重県にある「伊賀の里モクモク手づくりファーム」、奈良県の創業300年の麻の老舗「中川政七商店」、マンゴープリンのブームを作った香港スイーツレストラン「糖朝」なども出店している。
ミッドタウンは今回のリニューアルにより売上を2012年の237億円から1年で250億円まで引き上げる計画のようだ。