■コンビニの高級食パン
今年のヒット商品番付で、SMBCコンサルティングでは「高級食パン」が小結・敢闘賞、日経MJでは「セブンプレミアム 金の食パン」が前頭に選ばれたが、このところ、以前は一部のパン好きだけに注目されていた高級食パンが一般にも広がり始めている。
ヒット商品となっているセブン&アイの「金の食パン」は、厚切り2枚入り125円、6枚入り(一斤)250円と高額だが、発売4ヶ月で1,500万個を突破する売れ行きで、その他にもヤマザキパンの「ユアクイーン・ゴールド」(2枚入り125円)、ローソンの「ウチカフェブレッド」(140円)などの高級食パンも販売されており、これまで一斤100円前後の安売り食パンが主流だったコンビニのパン販売に変化が出ている。
また、ローソンが昨年発売した糖質・カロリーを抑えた「ブランパン」(2個入120円、120kcal、糖質7g)も累計で1,500万個を販売、ダイエット中の女性や、糖尿病などのために食べ物を制限している中高年が買っており、リピート率が46%と通常パンの2倍、特にナチュラルローソンでは、通常のローソンの5倍の売れ行きだという。
■CENTRE THE BAKERY (セントル・ザ・ベーカリー)
渋谷や丸の内で、レトロドールという銘柄小麦粉のバゲット販売やレストランで人気が高い「VIRON(ヴィロン)」が、10周年を迎えた6月に、食パンに特化した「セントル・ザ・ベーカリー」という店を銀座にオープンした。
ここでは国産小麦のゆめちからを使用した「角食パン」(840円)、北米産小麦の角型の「プルマン」(840円)、山型の「イギリスパン」(735円)という2斤サイズの3種類の食パンだけを販売しているが、週末は行列ができるほどの人気で、売り切れると、次に焼き上がるまで待っている人もいるほどだ。
また、サンドウィッチや食パンの盛合せがなどが食べられるカフェも併設されており、私は、「バター食べ比べセット」(食パン2種とバター3種、美瑛町の放牧酪農産牛乳付:1,155円)やサンドイッチを食べてみた。
何種類かある「食パンの食べ比べセット」は、注文すると店の入口に並べてあるデロンギ(イタリア)、ラッセルホブス(イギリス)、ティファール、マギミックス(フランス)など、ヨーロッパの有名トースターの中から好きなものを選んで自分のテーブルに持って行き、それでパンを焼いて食べられるので、いろいろなトースターを試してみることもできるし、バターやジャムも食べ比べられるので面白い。
パンもサンドイッチも、どの食パンを使っているかが分かるので、まずカフェで試食して、気に入ったパンを帰りに買って帰るのがお薦めだ。
コンビニでの高級食パンブームをきっかけに、こだわりのパン販売店が今後は注目されそうだ。