5月29日に、東京・白金台に総合ディスカウントショップ「ドン・キホーテ」による「高級志向」の実験店舗「プラチナ ドン・キホーテ 白金台店」がオープンした。
この場所は、最初はパチンコ店、直前は東急ストアというスーパーだったところで、通常のドンキと違い白い壁にプラチナ色のアルファベットで「PLATINUM DON QUIJOTE」と書かれた看板がかかっていた。
オープン当初だったので、混雑している店内に入ってみると、通常のドンキと同様に天井まで商品が積み上げられ、少し広めだが通路が迷路のようで、従来店とほとんど変わらない印象だったが、店の奥に行くと野菜や果物などの生鮮品や肉なども売っており、食品比率が高い印象を持った。
食品の棚を見てみると高級ハチミツ、コーヒーなど海外製の食材や調味料もあったし、半世紀以上、松阪牛を販売する三重の名店「朝日屋」がテナント入っており、テーマである「驚安感・猥雑感・高級感のミックス」の「高級感」が出されていた。
朝日屋には地元で行列ができるという霜降り肉や、100g当たり1,059〜3,888円で販売されているあみ焼き用の肉などが売っており、白金台周辺に住む「シロガネーゼ」にも対応している。
また、他店舗にある家電、ブランド品、バラエティグッズなどは売っておらず、歯ブラシや化粧品など家庭用品といった消耗品はお買い得価格の設定になっていた。
「白金台のような都心の一等地で成功すれば、高級住宅街への出店の可能性が広がる」と考えての出店とのことで、「高級にすればするほど、周囲のスーパーに近づいてしまう」ため、「高額所得層のニーズに合った品ぞろえを意識しつつ、ほかの店にないドン・キホーテの良さも感じてもらえる」店舗にするため、高級スーパーの品ぞろえの安心感と、ドン・キホーテならではの「驚安」「インパクトのある商品陳列」による買い物のワクワク感を融合した新しい業態に進化させていくと言う。
白金台は午後10時を過ぎると人通りがほとんど無くなるが、「利益よりも街のインフラとしてやっていきたい」との意向であえて24時間営業にしているようだ。
■外国人観光客
今回、高級住宅街にチャレンジをしたドン・キホーテは、昨年来急増している外国人観光客の取り込み面でも大成功しており、延べ人数で見ると来日外国人の半分が入店している計算になるようだ。
そのため、「ドンキに行ったら外国人がすごかった」というコミックエッセイも出版されており、それによると日本製の美容家電、炊飯器、マグボトル（水筒）などが人気だし、日本土産には抹茶味のお菓子や日本語がデザインされたＴシャツが人気となっているという。
全国各地での外国人観光客への対応、高級住宅街へのチャレンジなど、ドン・キホーテの今後の動きには注目したい。
======== DATA =========
●プラチナ ドン・キホーテ白金台店
http://www.donki.com/store/shop_detail.php?shop_id=368
住所：東京都港区白金台3-15-5
電話：03-5447-6921
営業時間：24時間 、朝日屋：10：00〜18：00
休み：なし
●「ドンキに行ったら外国人がすごかった」
価格：1,080円
著者：嶋村 ヒロ
発行：メディアファクトリー
