首都圏に114店舗の喫茶店を展開する銀座ルノアールが、7月25日に「瑠之亜(るのあ)珈琲」という新業態店を銀座インズ1階にオープンした。
ルノアールは、前の東京オリンピックが開催された1964年に、創業以来「快適な空間提供」をコンセプトに、50年以上、喫茶店ビジネスを展開、テーブルとテーブルの間が広く喫煙席も多いため、男性客やIT関連の打ち合わせなどを多く見かけてきたが、サンフランシスコから上陸した「ブルーボトル・コーヒー」など、「サードウェーブ・コーヒー」の波を受けて、ハンドドリップで抽出したスペシャルティコーヒー(730円〜)や、リンゴ丸ごと1個を使った限定アップルパイ(1,080円)などを提供する、女性を主なターゲットにした新業態のカフェをオープンした。
ここは「大人の女性のサードウェーブ」をコンセプトに、産地にこだわった希少性の高いハイクオリティの有機栽培のコーヒー豆を使い、味だけでなく「安心・安全」にも配慮しているという。
コーヒーの香りも楽しめるよう全席禁煙とし、3時間無料の「Renoir_Miyama_Wi-Fi」という公衆無線LANサービスを提供、壁際の席には電源も付いており、スマホやパソコン利用者の利便性も計っている。
今までのルノアールは広々していてゆっくり打ち合わせなどができる反面、分煙になっているとはいえタバコの臭いが気になったが、ここでは煙の匂いがなく美味しいコーヒーを味わえた。
■名刺スキャンサービス
一方、ルノアールでは、ビジネス客を増やす企画として、無料の「名刺スキャンサービス」も始めている。
これは東京・神奈川にある83カ所の直営店内に専用高速スキャナー「ScanSnap for Eight」を設置、無料で名刺を自由にスキャンして、スマートフォン、タブレットやパソコンにデータとして取り込めるもので「Eight」という名刺管理アプリ(Sansan社製)を利用している。
今年5月に稼働後に、大々的な告知をしていないにもかかわらず、6月は前月比1.6倍と増えているし、利用者1人あたりの平均スキャン枚数も約180枚と多い。
利用が多い東京・新宿エリアでは導入店も15店と多く、コピー機、貸し会議室、電源、フリーWi-Fiなども備えているため、今後もビジネス利用が増えて行きそうだ。
若い経営者のもと、ルノアールも変わり始めている。