■イエナ市場(Iena Marche)
今回の日本経営合理化協会・パリ・バルセロナ視察ツアーでは「食」をテーマの一つにした。
パリ初日の朝は、高級住宅街として有名な16区にある「イエナ市場」の視察に行った。
ここは毎週水曜日と土曜日に全長約500mほどの通りに、新鮮なチーズや魚介類、野菜、肉、果物などを販売するテントが並ぶパリで一番品質のいいものが揃う市場(マルシェ)で、一般の人に混じって三つ星レストランのシェフも自分で食材を選びに来る。
中でも18世紀に創業し、王室に野菜やフルーツを納めていたチボー(Joel Thiebaud=ジョエル・チボー)という農家が有名で、20ヘクタールに1,500種類の野菜を栽培、トマトだけでも年間70種類バリエーションがあるとされ、高級野菜を求めにシェフたちが訪れている。
今の季節はウサギ、鴨、ウズラなど、ジビエ(野生の鳥獣)やキノコ類なども豊富だったが、そのままの姿で置かれていたので日本人には刺激が強すぎた。
また、一流シェフがわざわざ足を運んでくる高級食材ではあるが、カラフルに光り輝く野菜や果物ではなかったのが印象的だった。
■ボン・マルシェ(Le Bon Marche)百貨店
世界最初の百貨店と言われているボン・マルシェの食料品館は、生鮮食料品から加工食品、ワイン、日本酒まで幅広い品揃えがされていたが、そこに売られている注目の2商品を紹介する。
「ボルディエ(Le Beurre Bordier)バター」は手作りの伝統的な手練り製法により、他とは違う風味豊かなバターで、多くの三ツ星レストランや一流ホテルでフランス一と評判になっており、種類もDemi-Sel(有塩)、Doux(無塩)、Sel Fume(燻製バター)、柚子、Algues(海藻入り)、フランボワーズ、Vanille(マダガスカルバニラ)、Tajine(タジンスパイス)など豊富だ。
高級ホテルやレストランでも提供されている「アラン・ミリア(Alain Millat)」というジュースは、フランス・リヨン郊外で果樹園を営む家に生まれ育ったミリア氏が、フルーツ栽培に関する深い知識と経験を活かし、素材によって製造工程を変えて作っているジュースで、現在フランスの4つ星、5つ星のホテルの45%が使用している。
飲んでみるとフルーツをかじっているかのようなフレッシュ感があったが、日本でも今年5〜8月限定でチョコレートのジャン=ポール・エヴァンとコラボレーションしたスイーツとジュースのセットが販売されていた。
フランスではまだまだ美味しい物が探せると感じて帰ってきた。