第44回東京モーターショーの一般公開が、10月31日から東京ビッグサイトで始まった(11月8日 日曜日まで)。
天気もよく、初日の10月31日(土)が85,100人、11月1日(日)が93,300人とまずまずの人出となったが、2009年(41回)にリーマンショックの影響で多くの海外企業が出展を取りやめて以来、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどの企業が大幅に減り、ステージ上のショーやコンパニオンなども派手なパフォーマンスが行われなくなっている。
来場者数も、バブル期の1991年(29回)の201万8,500人をピークにその後は減少、リーマンショック後は61万4,400人(2009年)、84万2,600人(2011年)、90万2,800人(2013年)と100万人を下回っている。
これはデフレ経済の長期化、アジアでの中国市場の台頭による海外メーカーの出展減などに加え、「若者の車離れ」が進んだことも要因となっていると考えられるため、「走る楽しさ」を各社とも強調していたが、以前は大きな人だかりができていたフェラーリやランボルギーニといったスポーツカーが出ていないのは寂しい。
そんな中で多くの人が写真を撮っていたのが、マツダの真っ赤なロータリーエンジン搭載コンセプトスポーツカー「RX-VISION」だった。
女性ターゲットのためか、アウディは車の横に女性コンパニオンではなく男性モデルを配置していた。
また、11月1日の日曜日は子ども連れファミリー、若いカップル、中高年層まで幅広い年齢層の人が来場していたが、コンパニオン狙いのカメラ小僧はほとんど見かけなかった。
■フォルクスワーゲン
今回の東京モーターショーでは、ディーゼル車の排ガス問題が9月半ばに発覚したフォルクスワーゲンにも注目が集まった。
10月28日に行われた、ヘルベルト・ディース・フォルクスワーゲン乗用車ブランドCEOのプレスブリーフィングは、お詫びや信頼を再び取り戻すためできることは全て行うという発言の後に、「クルマの電動化を強化していくこと、スマートデバイスによって車をインターネットと一体化させることを加速させる」という電気自動車やハイブリット化を進めてゆくという内容だった。
先日視察で訪れたヨーロッパでは、ディーゼル車が半数を占めており、これまではハイブリット化よりもディーゼルの開発に重きを置いていたが、フォルクスワーゲン問題をキッカケに、電気自動車化、自動運転車化へ方向転換が起こるかもしれない。
トヨタ自動車・豊田章男社長はスピーチ冒頭で、「T型フォードが登場する前のアメリカには1,500万頭の馬が使われていたが、20年間で自動車に置き換わった」と語ったが、今後20年間は人間が運転する車から自動運転車への移行が起こる可能性もある。
今回の東京モーターショーには、電気自動車の米テスラ・モータースも、自動運転車の公道テストを継続しているGoogleも出展していなかったが、次回の東京モーターショーは、Google、アップルなどのIT企業が数多く出展しているかも知れない。