東京渋谷にある駐車場や会議スペースのあるビルに、コーヒースタンドが併設された65坪の「ブックラボトーキョー」という書店がオープンした。
ここは「つくる人を応援する」というコンセプトのもと、料理、技術、デザイン、サイエンス、建築などの雑誌や専門書の新刊1万冊を揃え、ハンドドリップコーヒーやクラフトビールを提供する40席のカフェスペースを併設、全席に電源コンセントを完備し、無料Wi-Fiも利用できるようにし、「文章を書く人のための席」として落ち着いた書斎のような空間も用意し、「創造意欲が湧く書店」を目指している。
また、店舗を貸し切った書店空間を利用したイベントも開催可能なので、今後は若い人たちの集まる勉強会やイベントなども多く開かれそうだ。
このプロジェクトは、1990年代後半に日本のITベンチャー企業を生み出した「渋谷ビットバレー」の中心だったネットエイジの西川 潔さんも支援しているが、「今の若い人のためになる当時のような場を作りたい」と、25歳の鶴田浩之氏が構想、西川氏とともにアイデアを深めて、一部の資金をクラウドファンディングで調達し、6月25日に開業した。
■クラウドファンディング
「クラウドファンディング(Crowdfunding)」というのは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、インターネット経由などで、不特定多数の人々や組織に財源の提供や協力などを行うベンチャー企業の新しい資金調達方法で、アメリカのKickstarter(キックスターター)、indiegogo(インディゴーゴー)などが有名だ。
鶴田氏は日本のクラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」で投資を募り、目標額15,000,000円のところ、141人から27,040,400円を集めた。
彼の企画に協賛して投資する人は、3,000円(ドリンクチケット3枚とお礼メール)から、本棚の中に埋め込みで設置する、ハンドメイド雑貨等の販売スペース(箱レンタル)が1ヶ月間提供されるクリエイター枠の6,000円、今後店内で開催されるイベントの参加費に充当できる5,000円分のイベントチケットが付く10,000円など、最高投資額250万円まで用意されているいろいろな種類の投資方法から、リターンと出資額を天秤にかけて気楽に決められる。
今後は日本でも、今回のようなクラウドファンディングを利用した起業や新製品、新サービス開発が増えそうで、イノベーションを生むキッカケになることが期待される。