10月4〜7日に千葉県幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2016」は、昨年までの「IT・エレクトロニクスの総合展示会」から、出展各社がAI(人工知能)、ロボット、IoTなど近未来技術をアピールするものに生まれ変わった。
そのためか、出展企業は昨年から117社増加(+9.1%)の648社、来場者数も12,132人増加(+9.1%)して145,180人となった。
今年のテーマは「つながる社会、共創する未来 CPS/IoT Exhibition」で、「サイバー空間(インターネット)と現実が一体化して何かを作る」という意味の「CPS(Cyber Physical System)」という言葉をあえて入れており、その手段としてIoT(インターネットに接続されたセンサー、商品など)やドローン、ウェアラブル機器、ロボットなどがある。
今回最も話題となったのは、セブンドリーマーズ・ラボラトリーが、パナソニック、大和ハウス工業と開発した「ランドロイド」という世界初の全自動折り畳み機で、洋服を入れると種類に応じて最適な畳み方をし、持ち主ごとに分けることも可能だという。
価格は未定で、「将来は20万円以下にしたい」とのことなのでもっと高いようだが、来年3月に予約開始、2017年度中の出荷予定だという。
オムロンブースにあった人間と卓球のラリーをするロボット「フォルフェウス」(FORPHEUS)も人気で、3代目となった今回のロボットは新たにAIを搭載、プレイヤーのレベルを推測して返球するという。
パナソニックは、テーブルにビルトインされた加熱調理器により鍋もフライパンも不要で、お皿にステーキ肉を載せてセットするだけでその場で焼けて、出来たてが食べられるシステムが出ていたし、NECは世界一の顔認証技術を使って立ち止まらず顔認証ができる「ウォークスルー顔認証システム」を出展、4年後の東京オリンピックやコンサート会場などでも利用されそうだ。
ホンダは鳩サブレーの豊島屋用に、3Dプリンタでカスタマイズされた小型配達車「MC-β」を展示、収納スペースを最適な大きさにし、ロゴマークもボディに付けられていた。
今回は各社とも小型ロボットの展示が多く、日立は接客や案内などを行う「EMIEW3」、富士通は多くの人が集まると機嫌が良くなる「ロボピン」、トヨタは音声認識による意思の疎通ができる「KIROBO mini」などが出ていた。
各社とも人工知能は当たり前に使っており、NHKの130インチの8K対応シート型ディスプレイや、テスラ(電気自動車)のまだ日本に2台しかない最新型「モデルX」なども出ており、会場を回るだけで新しい時代を体感できた。