最近「和」の要素を取り入れた洋風料理店や、「和」に洋風手法を取り入れた店などが注目されているが、今年は「和」のテイストを核とした展開が期待できそうだ。
昨年12月23日に東京・中目黒にオープンしたフィッシュバーガー専門店「デリファシャス(deli fu cious)」は、ミシュラン2つ星の鮨屋「銀座 青空(ハルタカ)」で経験を積んだすし職人がプロデュースしている。
そのため、メニューも昆布で締められたさっぱりとした魚に和風出汁豆腐ソースをかけた「昆布〆フィッシュバーガー」(600円)や、独特のコクが加わるカニミソ入りのオプション(+200円)もある「カニクリームコロッケバーガー」(900円)などが人気で、付け合せも通常のハンバーガー屋のようなフライドポテトではなく、野菜の酢漬けや自家製無添加ドレッシングのサラダなどとなっている。
店名の「デリファシャス」は憶えにくく、発音もしにくいので困るが、delicious(美味しい)とfucking(すごく)を組み合わせた「めちゃくちゃ美味しい」という意味の造語だそうで、通常のバーガーとは違った味わいは経験する価値がある。
■東京茶寮
1月5日に東京世田谷区三軒茶屋にオープンした日本茶専門店「東京茶寮」は、ブルーボトルコーヒーに代表される「サードウェーブ・コーヒー」(第3次コーヒーブーム)のように、日本各地から取り揃えた単一農園・単一品種の「シングルオリジン煎茶」をカウンターでバリスタ(コーヒーを淹れる職業)がハンドドリップで提供するという新しいスタイルの店だ。
ここでは日本茶をコーヒー風に淹れるために、特許出願中の日本茶専用ドリッパーを用い、お湯の温度を1煎目(70℃)、2煎目(80℃)、3煎目(80℃〜)と変化させることで、アミノ酸・カフェイン・カテキンの抽出具合をコントロールし、同じ茶葉で3煎美味しく味わえるような工夫をしている。
ここでは、茶葉の甘味・旨味・渋味や香りの違いを明確に感じられる「飲み比べメニュー」(煎茶2種飲み比べ+お茶菓子:1,300円)がお薦めだ。
普段のライフスタイルに香り高い日本茶を取り入れ、最大限に楽しむことを目的とした「green brewing」ブランドの茶葉を店内奥で販売しているが、今後はここで使用している日本茶専用ドリッパーも販売する予定だという。
店内はカウンター9席しかないため1時間ほど待つことが多く、時間の余裕がある時しか行けないが、日本茶の新たなサービス手法として注目している。