今年は、有楽町の東京国際フォーラム展示場で2月2日(木)〜5(日)行われたバレンタインデー前のチョコレートイベント「サロン・デュ・ショコラ 東京」は、去年の2倍の来場者が押し寄せ、入場待ち行列と入場後の購入のための行列が連日続いた。
今年で15年目となる日本での「サロン・デュ・ショコラ」は、2002年に日本に初上陸、2003年からは新宿伊勢丹の催事場で行われていたが、来場者が増えて混雑が激しくなったため、2015年から新宿NSビルに会場を移して開催されていた。
昨年は「マツコの知らない世界」というテレビ番組で、楠田枝里子さんがチョコレートとショコラティエを紹介したことで、初日に行列が新宿駅まで続き4時間待ちとなったため、今年は新宿NSビルよりさらに広い東京国際フォーラムでの開催となった。
しかし、今年も1月17日の「マツコの知らない世界」に楠田枝里子さんが再び登場して、昨年10月にパリのポルト・ドゥ・ヴェルサイユ見本市会場で開催され10万人が来場した本場の「サロン・デュ・ショコラ」のレポートや、ピエール・マルコリーニのチョコレート工場の紹介、数人のショコラティエのチョコレート情報をお話されたので、5,000m2の東京フォーラムでも大混雑となった。
私は、2月1日のMIカード会員限定日と2月5日の最終日に行ったが、去年でもそれほど混んでいなかったカード会員限定日の混雑ぶりに驚いた。
中でも長蛇の列ができていたのが「フィリップ・ベル」「フレデリック・カッセル」「ジャン=ポール・エヴァン」で、「フィリップ・ベル」は最終日に行った時はチョコレートが全て売り切れていた。
■バレンタインデー
バレンタインデーは去年が日曜日、一昨年が土曜日で、今年は久しぶりの平日(火曜日)となるため、チョコレートを販売している各社は期待していたが、「サロン・デュ・ショコラ」が去年以上の加熱状況を示したことで、期待が膨らんでいる。
2月11日に行った新宿伊勢丹のバレンタイン催事場でも、大勢の人がチョコレートを買っていたが、「バレンタインデー」は以前のような女性が男性にチョコレートを贈る日ではなく、女性が自分用に厳選したチョコレートを買うチョコレートイベントとなった。
そのため、高額品の売上が伸びており、安いチョコをたくさん買って職場の男性に配る「義理チョコ」の割合は減ってきているようだ。
チョコレートの原料となるカカオ豆の国際価格は、主産地である西アフリカが好天で収穫量が増加するとの観測で、ロンドン先物市場で3年半ぶり、NY先物市場で5年ぶりの安値となっているが、2016年10〜12月の欧米やアジアのカカオ豆の加工量は前年比4%増と伸びており、現在は日本だけのチョコレートイベントとなっているバレンタインデーが、将来アジアに波及したら、カカオ豆の値段も高騰しそうだ。