●スタンフォード大学「OceanOne」
http://news.stanford.edu/press-releases/2016/04/27/robotic-diver-recovers-treasures/
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- 第204回 ロボットベンチャー(シリコンバレー視察レポート)
6月の日本経営合理化協会・シリコンバレー視察ツアーでは、様々なロボットベンチャー企業に行ってきた。
今回視察してきたロボットには、人間型、サイボーグ型、貨物型など多様なものがあったが、それぞれに未来を感じた。
■スタンフォード大学「OceanOne」
スタンフォード大学のオーサマ・カティブ教授が開発した「OceanOne」は、人間が潜れない100m以上の深海の発掘調査などに既に使われている人間型潜水ロボットで、既に、フランス近海で350年間深海に眠っていた「リュネ号」からルイ14世の残留物を持ち帰ることに成功している。
「OceanOne」は元々は紅海のサンゴ礁を調査する目的で作られたものだが、2本のロボットアームでモノを掴んだ時の触覚や重さを遠隔で感じられるセンサーが付いているため、壺などを壊さずに発掘できるという。
カティブ教授の研究室には、10年間ホンダ人間型ロボット・アシモがいたようで、遠隔で人間が操作するロボットは人間型がいいと話していた。
■Ekso Bionics(エクソ・バイオニクス)
Ekso Bionics社の「Eksoスケルトン」は、何らかの原因で車椅子生活になった人の起立・歩行補助をする介護用ロボットだ。
サイボーグ型ロボットでは、日本の筑波大学・山海嘉之教授が開発した「サイバーダイン」が有名だが、「サイバーダイン」が脳から筋肉に伝わる信号を検知して連動するのに対して、「Eksoスケルトン」は筋肉動作をキャッチして同調するもので、根本的に構造が違う。
現在、世界170カ所のリハビリセンターに200機導入され6,000人が利用、既に7,200万歩を歩いているというが、車椅子の人がこれを使って歩けるようになると胃腸の調子がよくなり、健常者と同じ目線で過ごせることから、リハビリ用として効果が出ているという。
Ekso社は元々軍事予算で、人体の強さや耐久性、移動性を支援・強化する外骨格ロボットの開発から始まった会社なので、天井など上向き作業者をサポートする「Ekso VEST」(50万円〜)など、産業用のサイボーグ型ロボットの開発も行っている。
■Marble社
サンフランシスコ市内の企業に対して、ランチなどの食材を宅配するMarble社のロボットも視察し、ロボットにデリバリーしてもらいサンドイッチを食べた。
今後は「Eat24」というフードデリバリー事業で実際に使われ始め、客がネットでメニューを見て注文すると、ロボットが自動走行で店に行き、料理をピックアップして客の所に届けるというが、基本的に歩道を走行、GPSは使わず、自社で作る5cm精度の3D地図を利用するという。
シリコンバレーでもロボット開発が活発に行われており、ロボットの時代を改めて感じた。
======== DATA =========
●Ekso Bionics(エクソ・バイオニクス)
●サイバーダイン
●Marble社