「アパレル不況」という言葉も聞かれる中、国内アパレル売上は1990年代の始めの15兆円から現在は10兆円と3分の2に減っているが、売り出される商品の数は2倍になっている。
アメリカでも百貨店のファッションやアパレル店舗の売上減少が続いており、今年に入って破産法の適用を受けた「アメリカン アパレル」が104店舗、「ザ・リミテッド」が250店舗、「ビーシービージーマックスアズリア」が120店舗を閉鎖、一世を風靡した「アバクロンビー&フィッチ」も米国内の60店舗の閉鎖を決定、「アメリカンイーグル アウトフィッターズ」が25〜40店舗を閉鎖、「ラルフ ローレン」は2014年にオープンしたNY5番街旗艦店を閉店、「ゲス(GUESS)」は年内に60店舗の閉鎖を追加しているし、百貨店ではJ.C.ペニーが年内に130〜140店舗、シアーズが42店舗の閉鎖を決定している。
また、日本からも「オールドネイビー」「チャールズ&キース」「アメリカンアパレル」、英「トップショップ」などが撤退している。
これらの要因については、「H&M」や「ザラ」などのファーストファッションに押されたこと、「アマゾン」「ゾゾタウン」などオンラインストア(ネット販売)の台頭、この10年間で売上が45億円から330億円に急成長した「ウィゴー(WEGO)」やフリマアプリ「メルカリ」などによる古着の流通などが言われている。
■コラボ商品
そのような中で、販売当日に行列ができたり即日完売しているのがコラボ商品で、ファストファッションと有名デザイナーのコラボや、セーラームーンなどのアニメとのコラボなどに加え、最近では有名ブランド同士のコラボも注目されている。
中でも、6/30〜7/7に東京・表参道の特設売場で販売されて連日大行列ができた「ルイ・ヴィトン」とNYのスケートボード系ストリートブランド「シュプリーム」の大型コラボ企画は、赤色のバッグが入荷した7/7に商品が完売してしまい、即日終了するほどの人気となった。
連日の大行列は売場に入場するための抽選に参加するためで、初日(6月30日)は小雨の中7,500人、7月7日は1万2,000人が並んだが、行列を見ているとバイトで雇われた「並び屋」とおぼしき人が7割以上、その半数以上が外国人と思われ、ネットオークションなどでは2倍から10倍の価格で転売されていた。
ファッションのコラボ企画は秋以降も発表が続くと思われるが、ファッション業界は「コラボ」や「限定」に頼らない新たな商品企画も考え始める必要がありそうだ。