芸術の秋、スポーツの秋など10月に入り各地でいろいろなイベントが行われているが、2009年に日本初のアートブックフェアとして始まった天王洲アイル・寺田倉庫の「TOKYO ART BOOK FAIR 2017」(10月5〜8日)は、多くの人が集まり、入場制限を行うほどの盛況だった。
私は昼過ぎに着いたが、17時から入場の整理券をもらう列に並び、夕方行ってみると入れなかった多くの人達がキャンセル待ちの列を作り、整理券を持っている我々も入場の長い列に並んで入った。
過去最大級の規模で行われたこのアートブックフェアには、国内外の出版社、書店、ギャラリー、アーティスト、個人で自費出版している人など350組が出展、作り手と直接話しができるなど、ある意味でビッグサイトで行われる「コミックマーケット」のアート版のような雰囲気もあった。
今年はある程度の規模で活動しているAブースと、小規模の組織や個人のZブースに別れていたが、最近20代〜30代の女子にも人気のカルチャー「ZINE(ジン)」(個人で作った本)の影響か、女性の出展者も多く見かけた。
デジタル世代の若者達の中にもSNSの発言は意図しないところまで届いてしまい、知らない人から求めていない批判やネガティブなコメントが来るため、自分が届けたい人たちだけに届けられる「ZINE」のような「物」で表現を発信する傾向が出始めている。
また、アナログレコードのように若い人の「アナログ回帰」も出始めている。
デジタル全盛の本が売れない時代と言われるが、毎年来場者が増えている「アートブックフェア」は今後のシグナルに思えた。
■世田谷パン祭り
一方、世田谷区三宿で10月8、9日に行われた7年目を迎える「世田谷パン祭り」も日本最大のパンの祭典で、大盛況の今年は過去最高の140店舗が出店、2日間で5万人を動員し、1万2,000個のパンが販売された。
メイン会場の池尻小学校第2体育館に入る行列は校庭まで伸び、体育館の中でもパンを買うための行列ができていたが、世田谷区の人気店、日本中から名店、隠れた人気パン屋などが所狭しと出店しているため、事前によく調べておかないと迷ってしまう。
また、旧池尻中学校舎を使用している「世田谷ものづくり学校」が、この期間中は「世田谷パン大学」に変身、1,200人が受講できる講座が開かれていた。
パン人気は根強く続いているが、多様化時代を反映し、各地の小規模なパン屋さんの特色を出したパンが人気となっていた。