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- 高島健一の「社長のメシの種」
- 第213回 シリコンバレー・ピッチイベント
10月のシリコンバレー視察ツアーで6社のベンチャー企業によるプレゼン(ピッチ)を受けた。
「ピッチイベント」というのは、ベンチャー企業が投資家の前で自社をアピールして投資を促すイベントで、忙しい投資家に短時間で自分達の魅力をいかにアピールできるかが勝負となっている。
そのため、ダラダラ長い説明はダメ( タイムイズマネー)で、10枚のスライドにまとめる事が必要だが、その内容は会社の目的、いま存在している問題、その解決法、なぜ今なのか、市場規模、競合他社、製品・サービス説明、ビジネスモデル、チームメンバー、財務体質の10枚だ。
また、冒頭の10秒で何がしたいかを言えなければその先は聞いてもらえないし、競合他社がいないのはマーケットがないと判断される。
しかし、ベンチャーはプラン通りに行かない場合のほうが多いため、どのようなチームかが重要で、投資家は結局は人を見ているようだ。
■Smart Guitar
今回聞いた中では、NYの有名なジュリアード音楽院出身のピアノ奏者でもあるBrian Fan(Magic Instruments CEO)が開発した、誰でも簡単にギターが弾けるように鳴る「Smart Guitar」に興味を持った。
Fan氏によると、楽器を弾きたいと思っている人の90%は途中で諦めており、子どもや若い人に楽器を弾く楽しさを提供したいと考えたという。
ギター型の「Smart Guitar」を持ち、専用のスマートフォンアプリから流れる音楽に合わせて表示される番号を押さえて弾くと演奏ができるようになっており、試してみたがすぐに楽しめた。
ターゲットは8〜14歳(2,000万人)と18〜24歳(2,000万人)で、日本は子ども向けお稽古では世界一で、カラオケ発祥の地でもあるため、ギターを弾きながら歌えるカラオケ市場も狙っているという。
■Dyno Sence
9つのセンサーが付いている少し大きめの体温計状の器具を、口か脇の下に挟むだけで、体温、血圧、血中酸素濃度、PPG、口のガスなど33種類の健康データが測定できるという「Dyno Sence」も気になった。
これは慢性病の人や個人の健康管理に有効だが、高齢者の在宅医療、外来などにも利用でき、既に伊藤忠、マグニカ、パナソニック、簡易保険、第一生命、日本生命と話をしているという。
保険会社を通じての販売を考えており、日本のパートナーを探しているとのことだったが、製品化したら欲しい商品だった。