2017年の干支は「丁酉(ひのと・とり)」で、古き勢力・力・考え方・ライフスタイル・やり方と新しいものが衝突する「丁」と、商売繁盛や革命の年とされる「酉」の組み合わせで、「何かが一つの頂点に達し、転換期を迎える年」とした。
改めて今年を振り返ってみると、夏以降の「インスタ映え」(今年の流行語大賞)現象や、1万人以上が抽選の大行列を作ったルイ・ヴィトンとシュプリームのコラボを頂点とするコラボ企画などは、その背景にネット販売の拡大により店舗販売の縮小があり、新たな売り方の模索の結果だったし、GINZA SIX効果により日本人が銀座に戻ってきたり、CDの売上が減少する中でアナログレコードやカセットテープが復活するなど、高齢化社会ならではの動きも起こっている。
また、ニンテンドースイッチやiPhoneXの品薄状態や、11月以降、Google、LINE、Amazonが販売を始めた「スマートスピーカー」、自動運転車やAIに対する関心の高さ、ビットコインの暴騰など、新たな時代に人々の関心が向いていることを示していると考えられ、「新旧交代」が鮮明になった年だったといえる。
■ヒット商品番付
年末に発表されたSMBCコンサルティング、日経MJのヒット商品番付は、
SMBCコンサルティングが、
インスタ映え、ツイッター政治を横綱、
Nintendo Switch、iPhoneXを大関、
藤井聡太四段・加藤一二三九段、10大スポーツ選手を関脇、
自動運転技術、AIスピーカーを小結に、
日経MJが、
Amazonエフェクト、任天堂ゲーム機を横綱、
安室奈美恵、AIスピーカーを大関、
GINZA SIX、スタートトゥデイ「ZOZOTOWN」を関脇、
しわ取り化粧品、睡眠負債商品を小結にしていた。
SMBCは、SNSが個人消費に影響を与えている現象から「インスタ映え」、スポーツや将棋などでの10代の活躍、自動運転など幅広い分野のヒット商品が選ばれていたが、日経MJは「ウチ充」をキーワードに、ネット通販のAmazonが「アマゾンフレッシュ」(生鮮品宅配)や動画や音楽の有料会員向け配信サービスを充実させるなど、自宅に居ながら商品を受け取ったり、コンテンツを楽しんだりするサービスを次々に消費者を囲い込んで宅配便や競合他社に影響を与えていることや、7カ月で763万台を販売し、今も品薄状態が続いている据え置きでも携帯でも遊べる「ニンテンドースイッチ」や、AIスピーカー、ネットファション販売ZOZOTOWNなどを上位にした。
ここ10年ほど毎年感じることだが、人々の関心が多様化し、ミリオンセラーなどが出にくい状況でのヒット商品番付選定は難しく、2つの番付に違いが出てくるのが普通になっている。
■2018年
2018年の干支は「戊戌(つちのえ・いぬ)」で、両方共「土」の性質を持ち「茂る」を表すものとなっている。
木が茂ると風通しや日当たりが悪くなり、虫がついたり、梢枯れ、根上りがして木が痛むので、思い切った剪定をしなければならない年で、「新たな時代の変化に向かって自社、自身を剪定する年」とした。
元号も変わり、新たな時代の幕開けとなる2019年に向かっての最終準備をする2018年は、煩雑さ複雑さが増す中で今後につながる集中すべきところを見つけ、それ以外は思い切って剪定することが重要だ。