11月21日のグランドオープンに先駆けて2期棟がオープンした阪急百貨店うめだ本店に行ってきた。
10月25日の2期棟オープン日は開店時に約2,000人が並び、1日で約20万人が来館し約18億円を売り上げ、月末までの6日間で、前年同期の2.2倍の100万人が来場するという大盛況だったが、私の行った11月10日の土曜日も、地下一階にある「バトンドール」には朝の10時45分の時点で2時間半待ちの大行列ができていた。
「バトンドール」とは、グリコによるポッキーの高級版のような商品らしく、今回は12時から会合があり並ぶのを断念したが、私は行列があると、とにかく並んでみるタイプなので、「並ばない」といわれる関西の人が行列を作っているこの商品は、次回来た時には是非食べてみたいと思った。
今回のリニューアルで一番特徴的な場所は、9~12階の4層吹き抜けとなっている「祝祭広場」だ。
私の行った時は「英国フェア」(11月13日まで)の最中で、バグパイプの演奏と踊りをやっており、多くの人が集まっていた。
阪急うめだ本店は、売り場の20%を非物販空間とし、「モノを売る小売業」からライフスタイル情報を提供する「情報リテイラー」への転換を図る「劇場型百貨店」がコンセプトのようだが、この日の「祝祭広場」はまさに劇場のようだった。
ファッションでは、5階にある「カルティエ」「ティファニー」「サンローラン」など30の高級ブランド店が並ぶ「インターナショナルブティックス」が壮観だったが、その中で「ルイ・ヴィトン」に婦人服、靴、宝飾品、時計は並べられていたが、バッグがほとんどないことが気になった。
お店で聞いてみると、バッグは2階にある店舗で売っており、5階はゆったりした空間で洋服やアクセサリーなどをゆっくり見てもらうという新たな試みだという。
隣接するJR大阪駅の上階に昨年オープンした「JR大阪三越伊勢丹」が、年間売上目標の550億円に対して、初年度は310億円、今期予想も340億円と不振が続き、その影響から三越伊勢丹ホールディングスの2013年3月期の連結業績予想を、経常利益が前期比22%減の300億円に下方修正したが、その原因の一つは、JR大阪三越伊勢丹に高級ブランド店が入っていないことにある。
それに対して、多くの高級ブランドが並んでいる阪急うめだ本店は、梅田エリアだけでなく、心斎橋や難波などとも競合しそうだ。
来年4月には北側の再開発地区「うめきた(グランフロント大阪)」に266店舗、4万4,000平米の商業施設が開業し、売り場面積で東京新宿を上回るし、日本一高い300mのビルとなった阿倍野駅上の「あべのハルカス」にも、2014年春には売り場面積10万平米の近鉄百貨店がオープンするなど、大阪の百貨店競争はますます激しくなりそうで、今後も動向を注目してゆきたい。
======== DATA =========
●阪急うめだ本店
http://www.hankyu-dept.co.jp/honten/
所在地:大阪市北区角田町8-7
tel:06-6361-1381
営業時間:9:00~21:00
●バトンドール
http://www.glico.co.jp/batondor/feature.htm
●JR大阪三越伊勢丹
http://osaka.wjr-isetan.co.jp/
●グランフロント大阪(うめきた)
http://www.grandfront-osaka.jp/
●あべのハルカス
http://www.abenoharukas-300.com/