大阪心斎橋のアメリカ村に今年7月にオープンした話題店、「タイガー・コペンハーゲン」に行って来た。
この店はデンマークを発祥に、ヨーロッパ16カ国で140店舗を展開する低価格雑貨チェーンで、日本では「北欧の100円ショップ」と騒がれて7月21日にオープンしたが、初日は11時の開店時に400人が並んだため入場制限をし、入店までに約2時間、レジ待ち1時間となった。
初日の売上は250万円、1,000人以上が来店、平均客単価2,500円といいスタートを切ったが、その後も連日大行列が続き、売る商品が足りなくなったため、開店4日目の7月24、25日の2日間を臨時休業、新たな商品が入荷した7月26日からも時間指定整理券を配布して、1日の入店客数を1,500人に限定、2階売り場を閉鎖して1階のみで営業をしていた。
しかし、それでも商品の入荷を上回る販売という状況は変わらなかったようで、再オープンから27日目の8月16日から再び休業し、物流拠点を上海から大阪に移して供給体制を整えて、10時半から時間指定整理券を配布する形式で、1、2階の500m2全てを9月22日から再々オープンした。
タイガーを運営するゼブラジャパンのクラウス・ファルシグ社長は日経のインタビューで、「計画では1日の買い上げ客数約500人、平均客単価約500円」と見込んでいたが、「実際は2倍の来店客1,000人以上、客単価1,000円」、「再オープン後も来店客は1,000人近く、客単価の1,000円は変わらなかったので、売上は予想の3倍以上、3カ月間半の予算を3週間余りで達成してしまい商品供給が追い付かなかった」と語っている。
私が行った11月10日からは、整理券配布を行わない通常営業となったが、11時の開店時には長い行列ができていた。
タイガーの特徴は2,000種類に及ぶカラフルな品揃えの商品が低価格で買えるところで、「購入可能なデザイン(Affordable Design)」をコンセプトにしているが、店内を迷路状に、1階右側→2階→1階左側→レジと一筆書きのように一方通行で巡りながら買い物をするところもユニークで、そのため行列の流れも良かった。
北欧発といえば、スエーデンのファストファッション「H&M」や家具の「IKEA(イケア)」も日本で成功しているが、「IKEA」もタイガー同様に一筆書き順路ができているので、北欧の量販店では一般的なのかも知れない。
カラーが豊富でカラフルな展示がされているクリスマス用品、靴下やiPhoneカバー、健康用品、文具、オモチャ、傘などは、手にとって見るとどれも驚くほど安く(100~1,000円)、みんなカゴいっぱい商品を入れていたが、支払金額は大したことないので、安心してあれこれ買える。
デザインとクオリティ(質)にこだわるという国民性が似ているとして、アジア進出の第一歩に日本を選び、東京よりもカラフルな志向が強い大阪から店舗展開を開始したタイガーは、目論見が当たり過ぎて「うれしい悲鳴」となってしまったが、仕切り直しをした今後の展開にも注目したい。
======== DATA =========
●タイガー・コペンハーゲン
http://www.tiger-stores.jp/
所在地:大阪市中央区心斎橋2-10-24
営業時間:11:00~20:00