
今年もSMBCコンサルティング(三井住友銀行グループ)と日経 MJ(流通新聞)による2012年のヒット商品番付が発表された。
SMBCは、京都大学・山中教授がノーベル賞を受賞したiPS細胞と東京スカイツリーが横綱、東京駅が大関、タブレットPCとLCC(格安航空会社)が関脇で、ロンドン五輪、天体ショー、ノンアルコール飲料、塩こうじ、新東名高速、代官山蔦屋書店なども入った。
日経MJは、東京スカイツリーと7インチタブレットが横綱、LCCとLINEが大関、N BOX(ホンダ)とマルちゃん正麺が関脇で、阪急うめだ本店、東京駅、ビックロ、渋谷ヒカリエなどの話題の施設も入った。

今年は東京に話題の施設が数多くオープンした年で、両方の番付で横綱になった東京スカイツリーをはじめ、東京駅丸の内駅舎、渋谷ヒカリエ、お台場の等身大ガンダムが立つダイバーシティ、原宿の東急プラザ表参道原宿、新宿三越跡地のビックロ(ビックカメラ+ユニクロ)などが多くの人で賑わった。
また、10月以降アップルが「iPad mini」、Googleが「Nexus 7」を発売、マイクロソフトはパソコンにもタブレットにも使える「Windows 8」という基本ソフト(OS)を出し、それを搭載したパソコン・タブレット両方の使い方ができる製品なども出たし、ネット販売大手のアマゾンも電子ブックリーダー「Kindle」とカラー・タブレット 「Kindle Fire」の日本語版を販売するなど、米大手IT企業から次々に手頃な価格の新型タブレットが発表・発売され、年末商戦では世界的にタブレット端末が売れた。
しかし、ノーベル賞を受賞したiPS細胞がSMBCでは番外になったし、4年に一度の世界的大イベントであるロンドン・オリンピックが日経MJでは番外の敢闘賞になるなど、人々の関心事も多様化していることが再確認された。
■癸巳(みずのと・み)
今年は1月の台湾から始まり、ロシア、フランス、エジプト、メキシコ、インド、アメリカ、韓国で大統領選挙、中国が10年に一度の指導者交代、最後になって日本も総選挙と選挙の年でもあったが、多くの国で新しい政権が誕生し、新たな動きが始まりつつある。
来年の2013年は60年周期の干支ではちょうど半分の30年目に当たる「癸巳(みずのと・み)」で、12年ごとに訪れる「巳年」には、これまでロシア社会主義革命(1917年)、世界大恐慌(1929年)、太平洋戦争勃発(1941年)、スターリン暴落(1953年)、中国文化大革命終了(1977年)、ベルリンの壁崩壊、天安門事件(1989年)、9.11同時多発テロ(2001年)と時代が入れ替わるきっかけになる出来事が起こっている。
来年どのようなことが起こるかは予想できないが、情報通信の主役がパソコンからタブレットへ移行し、ライフスタイルが変わってゆく時期に来ていることは間違いなさそうだ。
======== DATA =========
●SMBC 2012年ヒット商品番付
http://www.smbc-consulting.co.jp/company/mcs/BizWatch/Hit/
●日経MJ 2012年ヒット商品番付