
■百貨店化粧品の新売り場
従来は百貨店1階の化粧品売場で取り扱っていた商品の、新たな立地での販売が試みられている。
昨年3月6日に新宿ルミネ2にオープンした「イセタン ミラー メイク&コスメティックス」は、イヴ・サンローラン、クリニーク、ゲラン、ランコムなど、百貨店で扱っている20ブランドを集積した小型店で、三越伊勢丹が自社のデパート以外の駅ビルや商業施設に、今後20~30店を出店してゆく予定の新事業だ。
ここは「欲しいときに・好きなように・欲しいモノだけ買える ラグジュアリーコスメショップ」をコンセプトに、百貨店の高級化粧品ブランドに憧れを持つ20代~30代をターゲットに、従来のようなブランドごとに美容部員が接客するという形を止め、自由に各ブランドの商品を比較できるセルフスタイルにしている。
同じ新宿に立地するルミネと伊勢丹は、ある意味ではライバルだが、ここのオープン以来連携を強め、「ルミタン」という共同プロジェクトを半年に一度行なっているし、昨年夏からのバーゲン日程の後ろ倒しでも協調している。
日本経営合理化協会の
新春全国経営者セミナーで大西社長は、「百貨店のあるべき姿」「お客様との接点の場、チャンネルを広げる」を柱にすると話されていたが、「欲しい時にほしいものを品揃え」するためのバーゲン後ろ倒しも、チャンネルを広げる場も、ルミネと同調して行なっている。
■エキナカの化粧品売り場
今年2月6日に、JR品川駅改札内のエキュート品川2階にオープンした「阪急フルーツギャザリング」は、シャネル、エスティーローダーなどの高級化粧品から、サボン、ロクシタンなどまで、働く20~30代の女性をターゲットにした化粧品を幅広く揃えている。
エキナカは通勤途中やアフター5に立ち寄れるという意味では、駅ビルよりさらに便利で、ここの動向も注目だ。
住商ドラッグストアも、昨年10月12日に川崎駅隣接の商業施設「ラゾーナ川崎」2階に「インクローバー」というセルフ形態の化粧品売場をオープンさせているが、ここは70坪と広く、シャネル、ディオール、ランコム、クリニークなど30ブランドが入っており、アイシャドウやリップ、マスカラ、ベースメイクなどをブランド横断で試せるようになっている。
化粧品のセルフ業態は、鳴物入りでフランスから上陸した大型化粧品店「セフォラ」(1999~2002年)が3年で撤退するなど、これまではあまりうまく行っていないが、今までの枠を越えた化粧品の販売店舗が今後どのように展開してゆくかは見てゆく必要がありそうだ。
======== DATA =========
●イセタン ミラー メイク&コスメティックス
http://www.isetanmirror.com/
所在地:新宿区新宿3-38-2 ルミネ2階
営業時間:11:00~22:00
tel:03-5326-7180(直通)
阪急フルーツギャザリング
所在地:港区高輪3-26-27 エキュート品川2F
営業時間:月~土/10:00~22:00 日・祝/10:00~20:30
tel:03-3444-1710
インクローバー
所在地:川崎市幸区堀川町72-1 ラゾーナ川崎プラザ2F
営業時間:10:00~21:00