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社長業

第70回 日本的な経営に立ち戻る

繁栄への着眼点 牟田太陽

※本コラムは2025年5月の繁栄への着眼点を掲載したものです。

 「主義」や「主張」のことをよく「イズム」という言葉を使う。ハッキリとした主義・主張を持っている人であったり、会社などに対しても使うことがある。もっと分かりやすい言葉に直すと「~らしさ」という言葉に置き換えることもできる。これからは、この、「らしさ」というものを持っている会社を目指していかなくてはいけない。

 最近、毎日テレビで出てくるトランプ大統領などは、良くも悪くも、「らしさ」の塊のような人だ。やることも、言動も。

 そのトランプ大統領の(問題)発言の中で、「DEI政策の撤廃」という話があったのを思い出してほしい。多様性(ダイバーシティ)、公平性(エクイティ)、包括性(インクルージョン)。多様性とは、性別、年齢、国籍を問わないということ。公平性とは、待遇、機会を平等に与えること。包括性とは、価値観の違いを認められる世の中にすること。これらを撤廃すると発言をしたのだ。驚いたことに、すぐさまアメリカの大手企業がそれに賛同をした。ウォルマート、マクドナルド、そしてAmazonのウェブからも多様性という言葉が消えた。

 日本もアメリカなどを見習ってそちらの方にシフトしてきていたが完全にちゃぶ台返しをくらった形だ。

 多様性も、公平性も、包括性もやっていることはとても重要なことで軽視はしてはいけないが、私は、それを必要以上に打ち出す社会に圧迫感を覚えていた。そしてそれをアメリカ企業にならって、日本企業もそうしなければという流れにも。

 DXもSDGsも、一つの雑誌が取り上げると全てがそうなってしまうことを、一橋大学の楠木教授は、「同時代性のワナ」と言っていた。評論家が、「取り入れていない会社は時代遅れだ」みたいな脅迫めいたことを雑誌などで発信するからである。そして大手企業がそれに飛びつく。イメージが大切だからだ。そしてそれに中小企業が続く。

 ここでちょっと立ち止まって考えてほしい。歴史も、文化も、宗教も、人種も違うのにアメリカなどの経営手法を表面だけ取り入れて本当に上手くいくのだろうか。日本の方が歴史が長いのに、何故、アメリカの経営の真似をしなくてはいけないのか。日本は日本独自のやり方をもっと貫けばいいではないか。今一度、日本的な経営を見直すタイミングにきているのではと思う。

 終身雇用は、人が採れないのであれば当然だ。年功序列は、サラリーマンであれば最大の安定だと感じる。多能工は、隣の部署が困っていたら手伝うのは当然のことだ。家族経営というのも、「ウェット」「ドライ」などと言われた時代があったが、ウェット過ぎてもダメだし、ドライすぎるのはもっとダメだ。

 こういったモノを見直してみてはどうだろうか。私は極端に言っているが、「昭和的な経営」ではなく、あくまで「日本的な経営」への舵取りが必要ではないかと言っているのだ。

 「我社の変えてはいけない部分」と「我が社の変えなければいけない部分」この見極めこそが重要である。そして自社の独自路線「らしさ」を堂々と歩んでほしい。

※本コラムは2025年5月の繁栄への着眼点を掲載したものです。


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