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経済・株式・資産

第78回「来年にかけての懸念事項と投資戦略」

会社と社長のための資産管理講座

金融支援に関するギリシャとEU間の合意が成立して、ユーロ圏経済の激変が避けられたことや、なりふり構わぬ中国当局の株価支援策により、急落した上海の株価が下げ止まり、世界の金融市場は徐々に落ち着きを取り戻してきている。

ギリシャの経済と財政の再建問題も中国経済の減速と資産バブル崩壊の懸念も、どちらも根本的解決には程遠い先送りに過ぎないが、当面は安定しそうな見通しからリスク逃避していた投資資金が東京株式市場に戻り始めている。秋以降始まると考えられる「米国の利上げ」の影響を注視しながらも、アベノミクス効果による円安や株高が日本の企業業績に反映されて、これまでの金余りによる「金融相場」から「業績相場」へ移行するかどうか、今後の決算報告が注目される。
 
株式投資に関しては、長期投資の成果が最も高いことは数々の研究で証明されているが、10年とはいわず3~5年程度の比較的短い期間であっても、景気変動やバブルの発生と崩壊は避けられないほど、グローバル経済下で金融市場の変化は急速かつ激しい。2008年9月に起きたリーマンショックと世界同時不況から7年が過ぎようとし、その原因となった2007年2月のサブプライム問題からは8年余が経過した。ユーロ問題や中国問題などを原因に金融市場の混乱が起きることも念頭に今後の投資戦略を考える慎重さが求められる。
 
元々、短期的な市場変化を予測することは不可能に近いが、長期資産運用に関しては、経済社会の変化の方向などから効果的な予測をすることは可能である。そのような予測に基づく長期投資の成功例が、本稿で紹介してきたジョン・テンプルトンやウォーレン・バフェットだ。彼らは短期的な市場変動には一喜一憂せず、むしろ株式市場が大きく調整した時期にこそ、日頃から研究を怠らず割安になった優良銘柄に集中投資する手法、いわゆる「割安株投資」で大成功を収めてきたことを思い出したい。
 
わが国のバブル崩壊と失われた20年の教訓が、今後懸念される中国バブル崩壊による金融市場の激変にどう生かせるか、また、ギリシャ問題が対岸の火事ではなく近未来の日本の予想図にならないように、マクロとしての経済政策が実行され、ミクロとして私たちの資産運用に生かされるべきだ。今後に関しては、大規模な金融緩和による過剰流動性が来年にかけて世界規模で収縮し始める環境変化に厳重注意が必要だ。前兆現象として新興国でも構造改革を行わない国から資金逃避が起きている。日本も金融緩和や原油安の追い風が吹く間に成長戦略と構造改革を進展させなければならない。新年度以降、国内政治が経済問題を素通りして、成長戦略も構造改革も目立った進展がないのが気掛かりである。
 
 
                                    以上
 

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