※本コラムは2025年2月の繁栄への着眼点を掲載したものです。
私の牟田太陽公式ページにて、「『失敗は罰しないが、報告義務違反は罰する』と常に言っているのですが、それでも悪い報告が上に伝わってきません。どのようにすればいいのでしょうか」などという質問があった。一度ならば、社員の個人的な問題かもしれないが、二度も三度も続くようならば、これは「社内の空気感」がそうさせているのかもしれない。
昨年から話題となったビッグモーター問題も根本はそうだったのではないか。この会社には計画書もあったし、理念も存在した。しかしながら、それらは機能していなかった。理念が正しく伝わっていたのなら、お客様の大切な車を傷つけるなどということができる訳がない。組織が小さかった頃はできていたのだろうが、大きくなっても組織・体勢を変えていかなかった。そのために企業風土は損なわれていった。そして最終的には下からの内部告発さえ社長に届かなくなってしまった。
悪い報告が上がらない会社の特徴とは
・報告する環境が整っていない
・責任を追及されるのが怖い
・報告した時の対応が悪い
単純に、報告した側が損をしてしまうような環境では、悪い報告は上がってこない。こういったものが社風として染みついているのではないか。社風とは、経営幹部と社員の信頼関係である。その社風を変えるということは一年やそこらではできるものではない。何年も何年もかけて作り上げるものである。
悪い報告が上がってくる会社の特徴とは
・真剣に捉えるが、報告を歓迎する文化がある
・問題解決に全力を尽くす
・人を責めない
これらは結局、社長次第で実現できるかどうか決まるものだ。定期ミーティングをすることによって仕組みで報告しやすい環境を作り出したり、報告の手順・ルールを明確にしたり、失敗を許容するような社内体勢・企業文化にしたり、そして何よりも、悪い報告を上げてくれたことに感謝をしてみてはどうか。過去に社員から悪い報告を受けたときに自分がどのような対応をしたか考えてほしい。
最後に、社長自ら現場に足を運び、社員一人ひとりに直接声をかけることも大切だ。私が尊敬する食品製造業の社長は夜中の2時、3時でもフラリと工場を見に行く。そしてラインで働いているパートさんにも一人ひとり声をかける。現場の人たちはそんな時間に社長が突然来れば驚くが大変喜んでくれるらしい。それはそうだろう。社長が率先して動く、社長の姿勢が現場全体の雰囲気を作り上げているのだ。
※本コラムは2025年2月の繁栄への着眼点を掲載したものです。





























