(1)世界では4人に1人、アジアでは3人に1人が燃え尽き症状を感じている。
世界では4人に1人、アジアでは3人に1人が燃え尽き症状を感じている。
この症状は従業員の極度な疲労感、認知・感情処理の制御困難、
心理的距離を示すものであり、
アジアでは特に女性やフロントワーカーでその傾向が強いことがわかった。
日本においては、悩み・鬱症状・不安、そして離職願望の度合いが
世界水準に比べて低いものの、
燃え尽き症状に関しては5ポイント高い31%となっており、
対岸の火事ではない。
↓ この要因は
「害をもたらす職場活動」
公平でない対応や悪態をつかれるなどネガティブな対人関係を表すもの
日本ではこの要因に加えて、
「持続可能な仕事の欠如」(健全な仕事量・スケジュールを含むワークライフバランス)が大きな要因といわれいる。
(2)労災認定の増加
心の病の労災認定は、年々増えている。
2000年度 約30件だったのが
2021年度 600件を超える
申請件数はもっと多く
2021年度 2000件を超えている。
(3)不調のコスト
健康経営の発祥国、アメリカでは実証と研究が進んでいる。
例えば、アブセンティーイズム(疾病により欠勤している状態)よりも、
目に見えにくいプレゼンティーイズム(何らかの健康問題によって業務効率が
落ちている状況。例えば、花粉症で仕事の効率に影響が出ている方は
イメージしやすいのでは)による損失の方が大きく、
労務費の中で最大のコストであると言われ、Dow Chemicalでは
人件費の7%に相当するという。
また、Johnson &Johnsonによる試算では、
健康経営への投資$1に対して$3のリターン(効用)が見込めるとの
報告もある。
3倍の投資効果は特筆ものだ。
そして株価の検証においても、
1999年~2012年の間に優良健康経営表彰企業は株価が約1.8倍となっており、S&P500インデックスの約1倍を大幅に上回るパフォーマンスを上げている。
従業員の健康関連コストの全体構造(米国金融関連企業の事例)
出所:2017年7月 厚生労働省保険局「データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン」より
(4)エンプロイーヘルス(従業員の健康)
ストレスのない職場づくりをするのに
必要なこれからの要素は
結果ではなく、要因に着目をする。
普通は結果に着目する。
結果が悪いと、反省点や改善点を探すことは誰もがする。
しかし、結果が良いときには、反省や改善をしない組織は多い。
すると、無理矢理結果をつくったとしても
その時のプロセスは改善されず
その時に結果を出した人は、
褒められても
「あー、また次回、この苦しさをやらないといけないのか」と
結果を出しているのが苦しくなり
退職するか、身体が不調を来すようになる。
だから、
結果に着目するのではなく
要因やプロセスに着目をし
結果が良くても悪くても
どう感じたかをチェックし
プロセスをどんどん改善していくのが良い。
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