※本コラムは2026年3月の繁栄への着眼点を掲載したものです。
牟田 學が、「社長業」という本を発刊したのは昭和57年だった。40年以上経ったいまでも受注と見込みの基本は変わらない。
値段・納期・数量の決定権をお客様がもっているのが受注体質の事業の特徴で、値段・納期・数量の決定権を自社がもっているのが見込み体質の事業の特徴だ。受注体質の事業はお客様が生命線であるのに対して、見込み体質の事業は商品力が生命線となる。
受注体質の事業は、安定性はあるが、安定性がある代わりに爆発的ヒットは難しい。対して見込み体質の事業は、売れれば青天井ではあるが、売れなければ在庫になってしまう。双方ともメリットとデメリットが存在する。社長は、自社の体質を正確に捉えて正しい手を打っていかなければ繁栄は難しい。
かつては、この受注体質の事業、見込み体質の事業というのは綺麗に二分できた。そこから40数年経つと業種・業態の多様化により複雑化し、中には判別の難しい事業というのも出てきた。
例えば、「住宅」という分野において、「建て売り住宅」は見込み体質の事業であり、「注文住宅」は受注体質の事業となる。そこにいつの頃からか、「リフォーム」という事業が誕生した。これは受注体質の事業ではあるが、見込みっぽい部分もある。
こういった、「受注ではあるが見込みっぽい」「見込みではあるが安定性がある」事業が出てきている。
ホテル・旅館業でも、団体客がメインとなっているホテル・旅館は旅行会社を通しているので受注体質が強かったり、逆に個人客が大半を占めるホテル・旅館は見込み体質が強いといえる。同じ業種であっても体質は異なる。
横浜に、ヒロ横浜デンタルという会社がある。高橋理事長は、「一生自分の歯で生活してほしい」というモットーでアメリカに渡り顕微鏡治療を学んだ。通常は歯科医が覗き込んで治療を行うが、肉眼であるために患部の取りこぼしで再発の可能性が高いという。
それを顕微鏡治療は、患部を30倍という大きさに拡大した画面を見ながら治療を行うので取りこぼしはゼロに近い。そのため他の歯科医院では治療困難な患者が紹介で訪れる。患者の8割以上が紹介だ。BtoBで安定的に仕事をもらいつつ、自由診療で価格決定権がある。上手く組み合わせることによって、業界の限界を突破している。ヒロ横浜デンタルを見ていると、「この業種だからできない」とかそういうのはないとつくづく思う。自社の限界を自分で決めてはいけない。
自社が身を置く業界の弱点を客観的にとらえて手を打っていくことが大切だ。「受注体質」「見込み体質」「受注体質×見込み体質」打つ手は無限だ。
※本コラムは2026年3月の繁栄への着眼点を掲載したものです。




























