※本コラムは2025年10月の繁栄への着眼点を掲載したものです。
「販売力の前に商品力がなければ売れない」とは実学の門などで常々言っている。その前に、「想像力(創造力)」がないと売れる商品・サービスは生み出せない。
いま日本はアメリカとの関税問題が毎日のように報道されている。そもそも関税の目的は、税収の増加と自国産業の保護が目的である。自動車やアルミニウムの品目関税強化は、アメリカ国内の製造業の優位性を高めるためだろう。ただ、品目関税を強化したところで自国の商品が売れるようになるのかというと私はそうは思わない。冒頭で述べたように商品力が重要だからだ。
世界における自動車販売台数のランキングを考えてほしい。1位がトヨタ、2位がフォルクスワーゲン、3位がBYD、4位がホンダ、5位が日産である。トヨタ、フォルクスワーゲンまでは誰もが知っているだろうが、中国の電気自動車メーカーであるBYDが3位になっていたのには私も驚いた。だが、考えてみればなるほどとも思う。
日本経営合理化協会の上海視察から戻った坂上君から話は聞いていた。上海で走っている自動車はほぼBYDだったという。7割がBYD、2割がフォルクスワーゲン、残りがトヨタ他だったという。もう20年前とは違う。中国の運転免許保有人口を考えると3位にランクインしていてもおかしくはない。これが現在の自動車の勢力図だ。
ここでふと疑問が湧く。1990年代前半の勢力図はどうだったのだろうかと。恐らくこのトップ5の中にフォードが入っていたのではないだろうか。当時、フォードはマツダを傘下に入れていた。私が留学していたアイルランドでもフォード車のシェアが3割で、EU車3割、日本車3割程であった。それ程勢いがあったが、現在はトップ5からも外れてしまっている。これはどういうことなのか。
かくいう私も実はファミリーカーとして、フォードのエクスプローラーというSUVを2台乗り継いでいる。7シートなので家族でキャンプに行ったり、スキーに行く際には活躍してくれるからだ。
欠点を言えば、1リッター8キロしか走らない燃費だ。しかも1台目のモデルからみて改善されて8キロだ。1990年代の日本車みたいな数字だ。これで関税を上げたら自国の製品が売れると思ってるのがそもそもおかしいのではないか。「商品が良くないと売れない」というのは、時代も、国も、地方も、都市も、関係なく経営の哲理である。
どうしたらお客様から支持される商品・サービスが生み出せるのか。だから「想像力(創造力)」が決め手なのだ。
消費者の多様化で、お客様の欲求も多様化してきている。1億総中流社会などと呼ばれていた時と違い、下流社会になって久しい。ブランド志向は消え、自分らしさをより求めるようになった。その中で社長は、「想像力(創造力)」を鍛えていかなければいけない。
いま流行っているモノを見て、聞いて、触れてみること。海外にあって日本にないモノを調べる、行ってみる、見てみる、体験してみること。自社の商品に他社の技術などを組み合わせて新しいモノを生み出せないか考えてみること。こういったことを習慣づけていかないと売れるモノは絶対に生み出せない。社長は、「想像力(創造力)」が全てだ。
※本コラムは2025年10月の繁栄への着眼点を掲載したものです。



























