menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

人間学・古典

第十六話 「人を責むるの心を以て己を責む」

中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機

※本コラムは2000年代に井原隆一氏が書き下ろした「不況は会社守成の好機」全41話のコラムを再連載するものです。

 



“人を責むるの心を以て己を責め、己を恕するの心を以て人を恕する”(小学)

他人の欠点、過失を責めるような心で自分を責め、自分の過失を許すような気持ちで他人を許すようにせよ

人の非を責めるのは簡単だが、自分の非を反省するのは重要である。

漢書には“咎を身に帰し、己を刻して自ら責む”とある。即ち、失敗、過失があったら自分自身のせいだと考え、その責任を厳しく反省する、という意味だが、失敗を他のセイにしても、失敗が償えるわけではなし、過失を他のセイにしたところで過失を取り戻すことはできない。

失敗、過失を苦に悩むだけ健康を損ねることになるだろう。私はいま道楽を生きがいとしているが、野菜、果物が時折り盗まれる。

 道端のブドウが通行人につまみ食いされるが、売店の試食品を食べても無料。スイカ、カボチャ、りんご、ビワも鳥に食い荒らされるが、啼き声も立てずに飛び立ってゆく。人も鳥も姿は違うが食われることは同じ。怒ったところで気分を損ね、血圧を上げるだけ損失となる。

 私が銀行の常務時代、事務機械の買入れを誤り、損をしたというので部課長連名の進退伺いを持参してきた。私は二人の名を消して、自分の名を書いて頭取に謝りに出向いた。

 頭取は見るなり、君の名を消して僕の名を書く場所がないではないか、と。思わず私は最敬礼をしていた。

 ※栗山英樹氏から、本コラム井原隆一氏の「人の用い方」書籍と、井原隆一「人の用い方セミナー」収録講演CD版・デジタル版を推薦いただきました!

 監督の仕事は、選手の心を動かし、勝利の高みに導くことです。人をいかに用いて、信頼感を高めるか―――
その答えを求めて、私は井原さんの「人の用い方」のCDを5年間、毎日球場までの往復2時間、車の中で聴き、本をカバンに忍ばせていました。選手は勝利のために厳しい練習をしているわけですから、私は素振りの代わりが勉強だと思っています。

第十五話 「怒りを止むるは」前のページ

第十七話 「国(会社)の将に亡びんとするや」次のページ

関連記事

  1. 第二十六話 「難によりて材をあらわす」

  2. 第一話「不況は会社守成の好機」

  3. 第三十三話「一利を興すは一言を除くに如かず」

最新の経営コラム

  1. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年11月20日号)

  2. 第七十八話 展示会後のフォローで差をつける「工場見学の仕組みづくり」

  3. 第219話 少人数私募債の相続対策

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 戦略・戦術

    第十三話 脱下請け!小さな工務店の地域戦略から学ぶ
  2. 経済・株式・資産

    第30話 鄧小平と毛沢東の「戦争」―薄煕来失脚事件研究(2)
  3. 人間学・古典

    第76講 「帝王学その26」 太宗、一駿馬あり、にわかに死す。馬を養う宮人を怒り...
  4. マネジメント

    第四十五話 「信用を築くには百年、失うのは一瞬」(ディグ)
  5. 教養

    第10回 『そなえ ~35歳までに学んでおくべきこと~』(野村克也 著)
keyboard_arrow_up