日本経営合理化協会では、弊会のサービスをご利用されている中小企業の社長100人を対象に、様々なトピックについてのアンケートを実施しました。(2026年7月22~29日)
全国の中小企業の経営者に半世紀以上寄り添ってきた知見も基に、弊会独自の考察もお届けします。
※四捨五入しているため、必ずしも100にはなりません。
※回答者には経営者および経営幹部も含みます。
■金利復活――ひっくり返るマネー事情
アンケートを実施した7月下旬時点では、金利上昇の影響はおおよそ限定的ともいえる結果となりました。想像するに、長期の固定金利で銀行とすでに握っているケースが多いのではないでしょうか?
しかし、金利のある世界に戻ったことで、銀行の姿勢が大きく変わったという話が、弊会には多数寄せられています。
ある地方の飲食店の経営者は、「これまで銀行からの連絡はなかったんですが、日銀の利上げ報道以降、突然、『融資のお話があるんですが…』『活用できる行政の制度が…』といった営業が来るようになりました。でも、コロナ禍でヒィヒィ言っているときに、耳すら貸してくれなかった銀行は、お断りしましたが…」
一方で、無借金経営をしている企業の経営者は、「いやあ。返済を終えたら、銀行の客じゃなくなると思っていたんだけれども、今度は『お金を預けませんか?』という、問い合わせがやってくるようになったんですよ」。報道にもある通り、貸し出しのためのキャッシュの確保を求める銀行も増えていることから、世の中のお金の動きが、足元から大きく変化したという実態がうかがえます。
忘れてはならないことは、かつて、金利は8%、10%だった時代があったことです。今の借入金利が2倍、3倍となったときに、営業利益の何パーセントが吹き飛んでしまうのか、損益計算書(P/L)にどれだけのマイナスが出てくるのかの、事前のシミュレーションは必須です。
金利復活を受け、これまでの銀行との向き合い方を一度リセットし、新たな付き合い方を模索するための情報収集が求められています。
■どうなる?今後のお仕事事情
現在、政府で検討を予定している“労働時間の規制緩和”については、おおむね賛成が67%と、経営者からは肯定的な受け止め方をしています。
一方で、新たに検討されている制度で最も、懸念されているのは、勤務時間外に対応する必要がなくなる“繋がらない権利”でした。
過労死の問題やワーク&ライフバランスの浸透に伴い、労働時間に対する規制はここ10数年で、より就労者を守る制度設計になってきました。
ですが、あえてここで提起したいのが“日本人は本当に働きすぎなのか?”という疑問です。結果から申し上げますと、日本はもう、長時間労働の国ではなさそうです。
OECDが公表している2025年の「就業者一人当たりの年間労働時間」は以下のグラフが示しています。
OECD平均(1736時間)よりも100時間以上下回り、少なくとも“働きすぎ”というイメージは当てはまらないことがわかります。実は2008年以降は平均以下で推移し、徐々に労働時間は下降傾向にあるのです。他方、米国や韓国でも労働時間の減少は同様に進みましたが、その下げ幅は非常に緩やかなものとなっています。そして、中国・インド・シンガポールなどでは年間労働時間が2000時間を超えています。
追加の検討が予測される、“連続勤務の規制”や“勤務間インターバル(休息)”があるとはいえ、今の経営者がかつての“モーレツ社員”的な働き方を強要することは考えにくいため、実務上の大きな混乱には至らないというのが弊会の見立てです。一概に労働時間を増やすことを良しとするわけではありませんが、「もっと稼ぎたい」社員や、「成長機会の損失を避けたい」若手社員の要望に応えるためにも、労働時間規制は柔軟な運用が求められます。
一方で、“繋がらない権利”については、4割の経営者が一抹の不安を感じるといったところでしょうか?
弊会講師:社会保険労務士の日比野氏は留意すべきポイントを以下のように指摘しています。
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中小企業は、限られた人員で仕事をしています。一人で二役も三役もこなします。そして、取引先・顧客との力関係も弱い中小企業は相手先の都合に振り回されます。それに対応することで、仕事をとっている要素もあります。
だから、大企業よりも、仕事では、予定外のことが起こるわけです。
例えば、お客さんから「すぐに対応して」と緊急の仕事が、終業後の20時とかに入ってくる。
そんなことが日常的に起こるわけです。そんな電話を、夜ひとりで仕事をする社長や役員が受けるわけです。社長や役員といっても経営的な仕事もするが、トイレ掃除もすれば、営業に出て行ったりと、一社員と同じ仕事をするそれこそ「名ばかり役員」だったりします。
そんなとき、その仕事を担当する社員に電話をかけて、「ゴメン、ちょっと教えて。これ、どうなってんの?」とするわけです。人手不足に悩む中小企業、とくに若手社員の確保には苦労していますから、社長はもう若者の顔色をいつも伺いながら仕事をしている。そんな経営者が多いと思います。
それが「夕方以降、LINEもメールもしたらアカン」となれば、もうそりゃあ、「ものすごく不自由・不便になる」「仕事が止まってしまう」。
そんな事態になると思っている人が多いのだと思います。
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さらに、日比野氏は仕事場における「インフォーマルな人間関係の希薄化」によって、“生産性の悪化”、“心理的安全性の減少”を懸念するほか、中小企業もグローバルな事業展開をする中で、「日本の祝日等の慣習」等が連携を損なわせる可能性も指摘しています。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
2026年7月に開催した『第152回全国経営者セミナー』にて今回のアンケートを実施いたしました。
来年1月の『第153回 全国経営者セミナー』でも実施を予定しています。
※アンケートに関するお問い合わせは 日本経営合理化協会 広報:小笠原まで
TEL:03-3293-0041 MAIL:ogasawara@jmca.co.jp





















