この度、３月１１日に発生した「 東日本大震災 」により被災された地域の皆さまやご家族、関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。被災地の一刻も早い復興をお祈りしております。
さて、今回はフェーズ３「 顧客の声を知る 」の第二の項目『 アンケートには「物」と「金」を常にリンクさせる事』のお話を致します。
今回の「 東日本大震災 」で不動産購入予定者の購入マインドがかなり落ち込んでいますので、販売促進の一助になると良いと思い、前回同様に「 アンケート 」の重要性の御説明致します。
前回は用地取得前の事前「 アンケート 」の御説明でしたが、今回は用地取得後、マンションの「 商品企画 」の為の効率の良い「 アンケート 」内容を具体的に申し上げます。
最近、大手ディベロッパーは新規分譲マンション商品企画時点に行なう「 アンケートチラシ 」( アンチラ )をほとんど無くし、その代わりに「 インターネット 」で「 アンケート 」を行なう様になってきました。私のＰＣにもよく新規分譲マンションの「 アンケート 」依頼のメールが入ってきます。
超大手ディベロッパーの「 商品企画 」時点の「 アンケート 」の内容は２種類有ります。その内の１種類は俗に「 誘導型アンケート 」と言われるもので、既に商品企画が終了し、その「 商品企画 」が正解だと回答者に誘導するもので、どちらかと言いますと「 アンケート 」自体は効果が有りませんが、建物の確認申請取得前の事前広告的な役割にはなっています。
大切なのはもう１種類の効果の有る「 アンケート 」です。
では、効果の有る「 アンケート 」とはどの様なものかです。
効果の有る「 アンケート 」とは「 物 」と「 金 」を関連付けした「 アンケート 」です。
具体的に「 物 」と「 金 」を関連付けした「 アンケート 」の内容を御説明いたします、と「 ディスポーザーは必要ですか？…ディスポーザーを設置致しますと販売価格が○○万円高くなります。ディスポーザー有りが良いですか、無い方が良いですか？ 」という様に何かを設置すれば価格が○○万円上がるが、設置する方が良いか、しないで価格が安い方が良いかと現実的な価格上昇を表示し、想定顧客に回答してもらうのです。
この「 物 」と「 金 」を関連付けした「 アンケート 」の内容で一番効果が上がるのが共用施設の有無です。
例えば「 フィットネスジム 」を付帯施設として必要性の有無を「 アンケート 」致しましょう。
「 このマンションにフィットネスジムは必要ですか？フィットネスジムを配置した場合、販売価格が○○万円上昇し、毎月の管理費の金額が維持メンテナンス費等と固定資産税で○万円上昇致します。あなたにとってこの条件でフィットネスジムは必要ですか？」という質問です。
この「 フィットネスジム 」の必要性のアンケートの中に「 初期費用 」と「 毎月の諸費用 」を記入しませんと、日頃「 フィットネスジム 」等を使っていない人達でも「 必要 」との回答になってしまいます。
全く無意味な「 アンケート 」でマンションの販売価格だけが高くなり、売れ残る可能性が高くなってしまいます。
中堅ディベロッパーの方々、新規分譲マンションの「 商品企画 」時点で「 物 」と「 金 」を関連付けした「 アンケート 」を是非行ない、顧客が「 金 」を出してまで必要な物かを判断し、安価な良いマンションを分譲して竣工までに「 完売 」させて下さい。
以上
碓井民朗
