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不動産

第98回 外廊下側の住戸洋室等の窓外側に設置してある面格子は素人でも脱着可能にする。

売れる住宅を創る 100の視点

今回も前回と同じフェーズ8「 モノづくり 」の「 こだわり 」です。その第6項目の『 購入者へのメンテナンスへの配慮 』5項目中の第3項目である『 外廊下側の住戸洋室等の窓外側に設置してある面格子は素人でも脱着可能にする。 』に関してのお話を致します。
 
前回はフェーズ8の「 モノづくり 」に於いて、その第6項目の『 購入者へのメンテナンスへの配慮 』5項目中の第2項目である『 内覧会で売主側の要注意事項  』の大切さを認識して戴く目的でこのコラムに於いて5項目用意致しました中の第2項目の『 窓ガラスや手摺ガラスは全て住戸内から清掃可能にする事。 』の御説明を致しました。
 
今回は「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」に於いて工事監理や建築工事内容等の良し悪しに依って、既に購入し住まわれた方々が、事業主( 売主 )の「 モノづくり 」に関して、将来のメンテナンスへの配慮や姿勢を問われていますので、『 外廊下側の住戸洋室等の窓外側に設置してある面格子は素人でも脱着可能にする。 』の内容を皆様に詳しく御説明致します。
 
さて、今回も建築家として、私が最も得意とする「 モノづくり 」における商品企画や基本計画等と共に設計者としましての工事監理に於いて、工事竣工時点での大切な細かい「 こだわり 」の御説明であります。
 
「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」の住戸の商品計画への「 モノづくり 」に対する「 こだわり 」に於いて事業主( 売主 )が購入者( 入居者 )へ配慮された商品が製造されているか否かが、既に購入された方々のメンテナンスの難易度に依って事業主( 売主 )への大変大きな判断基準になりますので、今回もよく御覧下さい。
 
さて、このコラムで毎回申し上げていますが、この処大手ディベロッパー、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの顕著な傾向は、購入者( 入居者 )へ配慮有る良い商品を作って分譲している良心的なディベロッパーと、販売力や販売員の体力の強さや物件収支の数字のみに頼って「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等を企画・販売しておりますディベロッパーとの「 2極分化 」がかなり進みまして、それが顕著になっております。
 
現在、販売力や販売員の体力の強さと物件収支の数字のみに頼って分譲している事業主( 売主 )に於いては、かなりの完成在庫住戸を多く抱え、苦戦を強いられています。
その結果売れずに超大手ディベロッパーでさえも、竣工後1~3年以上の「 完成在庫住戸 」がかなり多いのが現状です。
 
ですので、完売させる為及びにも、今回の『 外廊下側の住戸洋室等の窓外側に設置してある面格子は素人でも脱着可能にする。 』は参考になり、更に事業主( 売主 )への信頼性の基準になりますので熟読して欲しいと思います。
 
更に、現在の不動産業界は益々、資本主義の原点である「 弱肉強食 」の傾向が強くなり「 超大手、大手ディベロッパーの寡占化 」がどんどん進み、その結果、新規に販売する物件が購入者( 入居者 )への配慮が乏しい準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパー等は超大手ディベロッパーに吸収合併させられております。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーが、これから将来にわたり、それらの超大手や大手ディベロッパーに対し、独立独歩で対峙し勝負するには、分譲予定物件の商品企画等の「 質 」と「 モノづくり 」に関してはトコトン細かい所まで購入者( 入居者 )への配慮をし、「 こだわり 」や「 誠意 」を持って魅力有る商品を作り、完成させ、入居後もメンテナンスの行い易い物件にさせなければ価格競争の渦に巻き込まれてしまいます。
 
その様に致しませんとかなりの値引き致し売却する事に依って、損益を計上し「 倒産 」( 破産では無い )や悪くすると「 破産 」の危機をむかえるのでは…と危惧致しております。
 
その様にならない為には、購入者への細かい配慮( 誠意・こだわり )が感じられる「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」を供給していかなければ生き残れないでしょう。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは「 新規分譲マンション 」の「 設計基準書 」や「 マンション工事基準書 」を独自に製作し、毎年見直をし、良い方向へ変えなければなりません。
 
具体的に申し上げれば、購入予定者が事業主( 売主 )の「 こだわり 」や「 誠意 」等の配慮を敏感に感じとり、購入意欲が湧いてくる物件を分譲する様な会社にしなければなりません。
 
そして入居後も購入者( 入居者 )が満足し、クレームの起きない良い商品を作り続ける事やメンテナンスが容易で、且つ費用のかからない事等で知名度を上げなければならないでしょう。
 
私の経験では、例え万が一、クレームが生じましても、購入者( 入居者 )への対応を迅速に誠実に行えば「 雨降って地固まる 」で誠意や信頼度の回復が可能なのです。
 
ちなみに、メンテナンスの難易度もクレーム対象になるのです。
 
事業主( 売主 )の誠意と信頼が感じられ入居後もクレームの起きない良い商品を作り続ける事に依り、潜在顧客の信頼度も高まりますので「 価格 」や「 ブランド 」での販売競争にならずに済むのです。
 
その結果、不動産業界や一般社会に於いても良い評判や良い評価や評判を得る事ができ、生き残れる道だと実感しております。
 
これらの事を継続されていれば、自ずと会社の信用度が高まり「 ブランディング形成 」( ブランドを高める事 )に結びつき「  超大手、大手ディベの寡占化  」に対抗できます。
 
その様に事業を続けていけば、準大手ディベや中堅ディベが、超大手、大手ディベロッパーに対峙し対等に勝負できる個性の有る会社になると私は確信しております。
 
そして、今回御説明致します顧客への細かい配慮である竣工・入居後に行いますメンテナンス作業に於いて重要な『 外廊下側の住戸洋室等の窓外側に設置してある面格子は素人でも脱着可能にする。 』の項目を良く御覧戴いて「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」の設計内容、工事監理や工事内容等に反映されれば、魅力的で同業他社物件と差別化された良い商品になるのでは…と思い御説明致します。
 
この様な細かい配慮の有る商品を長期間供給し続けていけば、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーも不動産業界だけでなく、一般の社会に於いても会社名や「 ブランド 」名の知名度も上がり販売におおいに寄与すると確信致しております。
 
ですので、今回の私のコラム98号『 外廊下側の住戸洋室等の窓外側に設置してある面格子は素人でも脱着可能にする。 』を参考にされて入居後にも細かい「 配慮 」や「 こだわり 」の有る「 モノづくり 」を継続する事は、不動産業界の中で超大手や大手ディベロッパーと同様、又はそれ以上に世間は評価すると思います。
 
それでこそ、準大手や中堅ディベロッパーが生き残れる唯一の道だと私は確信しております。
 
「 継続は力なり 」です。そして特に準大手や中堅の売主及び事業主には、このコラムでは毎回申し上げていますが「 誠実に勝る近道無し 」を心がけて戴きたいものです。
 
もはや現在、日本全国で約1000万戸以上、首都圏( 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県 )だけでも約500万戸弱以上もの空き家が有る不動産業界で、準大手や中堅ディベロッパーが超大手や大手ディベロッパーに勝てるのは供給戸数の数よりも商品企画や工事内容等で顧客への配慮が有る「 質 」「 誠意 」や「 こだわり 」だけだと私は確信しております。
 
その様な「 良質 」の商品を世に出す為にも、今回のタイトルの「 モノづくり 」第6項目の『購入者へのメンテナンスへの配慮 』5項目中の最初の第3項目であります今回のコラム『 外廊下側の住戸洋室等の窓外側に設置してある面格子は素人でも脱着可能にする。 』の内容を事業主( 売主 )や設計者が取り入れて戴ければ、購入者( 入居者 )への細かい配慮の判断基準となると信じております。
 
今回の内容は、特に潜在顧客の売主評価への判断に多いにつながる大切な事です。
 
手前味噌になりますが、今回も私が今迄約30年以上手がけました「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等の設計業務、工事監理業務や設計監修業務の経験に基づいた「 経験工学 」で有りまして、大変貴重なお話なのです。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの方々は、特に今回のコラム98号『 外廊下側の住戸洋室等の窓外側に設置してある面格子は素人でも脱着可能にする。 』の内容を良く理解し「 新規分譲マンション 」等の建築工事内容に十分取り入れて下さい。
 
そして更に、これも毎回何度も申し上げていますが、「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」の計画時点で実行して戴きたい事が有ります。
 
それは、私が今までの設計業務、工事監理業務や設計監修業務の経験を踏まえて申し上げたい事で、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは、絶対に『 製造・販売・管理一体 』の体制で商品企画を行う事です。
 
「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等の商品企画会議では製造部門、販売部門と管理部門が一体になって戴きたい事です。
 
その理由は販売部門や管理部門が顧客の生の声を商品企画会議で発言し製造部門に伝え、その内容が良ければ商品説明の内容等に反映できるからなのです。
 
更に、「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」に於ける入居後のメンテナンスへの難易度の高さの内容も『 外廊下側の住戸洋室等の窓外側に設置してある面格子は素人でも脱着可能にする。 』を販売部隊の方々が良く理解し、具体的に顧客に対して自信を持って同業他社の物件との差別化を「 セールストーク 」できるからなのです。
 
前置きがいつも長くて申し訳ございません。
 
今回は分譲物件の内覧会や入居後等に於いて、重要な配慮であります『 外廊下側の住戸洋室等の窓外側に設置してある面格子は素人でも脱着可能にする。 』をこれから具体的に御説明致します。
 
今回警告を発しますのが、網戸が外せない面格子の取り付け方です。
 
面格子は元々防犯の為に設置されている物ですが、外廊下側住戸洋室等の窓外側に設置してある面格子の仕様を見ただけで、事業主( 売主 )よりの購入者への配慮が読み取れます。
 
面格子の仕様は大きく分けて2種類あります。
 
その中の1種類はただ単にアルミの角材を縦桟にして組み合わされて作成した30年以上も前から存在していた物です。
 
もう1種類は面格子の中の横桟が翼の様な羽の様になっておりまして面格子が「 ガラリ状 」( よろい戸状 )になっている物です。
 
この前者の面格子の格子が縦桟のものですと口の悪い人や私は、刑務所や留置場の窓の雰囲気だねと言っております。
 
せめて横桟になっていましたら見た目も少し良いのですが…。
 
この前者のアルミ角材を組み合わせた面格子の場合は、網戸の掃除や網の貼替えで網戸を外す前に面格子を外すのですが、外したら元の位置には素人では取り付けられない物がほとんどです。
 
後者の面格子は横桟が翼状の羽状になってその羽状の物が水平や斜め上下に可動するのです。
 
これ依り外廊下側の部屋のプライバシーが格段に確保できるのです。
 
外廊下側の部屋の窓を開けて通風を確保したい時は横桟の羽状の物を斜め下に向ければ外廊下を歩いている人から部屋の中は見えませんのでとても良いですし、夜は羽状の物を下に向ければ雨戸代わりになり暗くなって熟睡できます。
 
しかし、後者の面格子の設置方式が2種類有りますので注意を致します。
 
1つめの方式は前者の面格子と同じ設置方法で網戸の脱着の為に面格子を外しましたら素人では元の位置に設置できない代物です。
 
こういう面格子を採用している事業主( 売主 )は購入者( 入居者 )自身が行うメンテナンスへの配慮が欠如しています。
 
処が、ゼネコンの人が「 部屋内から面格子取り付けのビスを外せば面格子が外れて網戸も外せますから問題無いです。 」と言われた事が有りました。
 
私も、その位の事は充分承知です。
 
しかし、再度取り付けは出来ないと知っていたので実際にそのゼネコンの人に実験してもらいました。
 
案の定、面格子は取り付け金具のビスを緩めて外すのは割に簡単でしたが、再度取り付けは結局そのゼネコンの人では出来ませんでした。
 
面格子の職人さんが2人来てやっと取り付けました。
 
私は事業主、設計者とゼネコンの人に「 入居者は素人さんで職人ではないのですよ。網戸が外せる面格子の設置方法を再考して下さい。 」と御願い致しましたが、なかなか良い返事が出てきませんでした。
 
そこで、私はお金がかからない良い方法を事業主、設計者とゼネコンに伝授致しました。
 
さて、2つめの設置方式は後者の面格子の設置金物の上部に丁番が付いていまして、下方の左右両脇に「 蝶ネジ 」( ネジ頭が蝶の形をしたビス )が有りそれを廻して縦にして面格子の下端を外に押し出すと下から上へ「 突き出し窓 」の様に開くのです。
 
その様になっていれば網戸の脱着も簡単です。
 
これがとても大事なのです。先程も申し上げた様に網戸の取り外しにかかわる事なのです。
 
面格子が簡単に開いてくれれば網戸の清掃や網の貼替えの為に網戸が楽に脱着できますし面格子も元の位置に設置できます。
 
尚、私は建築家ですからコスト比較を致しましょう…。
 
普通の面格子と上記最後に書いた面格子の下代価格( 定価ではない現場搬入価格 )の価格差は大きさにも依りますが、約4万円~6万円程度です。
 
1住戸に2箇所採用しても原価で約8万円~12万円程度のアップです。販売価格は約、原価×1.5倍になりますので、1住戸当り12万円~18万円程度アップです。
 
例えば、1住戸の販売価格が4、000万円だとしましたら最大で4、018万円になる程度なのです。
 
広告宣伝に高額な費用を払ってテレビ等で有名タレントを起用するよりもこういう所にお金を使うのが本来良識ある売主ではないかと思うのは私だけでしょうか…?
 
この様に、購入者( 入居者 )が購入検討時には気が付かずに、入居後に気付いて困る所に気遣いする事業主( 売主 )は一流です。
 
今回は特に購入者( 入居者 )が既に購入された「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」のメンテナンスを行う際の難易度が事業主( 売主 )サイドにとっては重要な顧客への配慮の事なのです。
 
この様な回答では事業主( 売主 )がこの物件の「 アフター 」に充分配慮しているか否かが購入者( 入居者 )側で判断できるのでは…と思っております。
 
コラム第98号では『 外廊下側の住戸洋室等の窓外側に設置してある面格子は素人でも脱着可能にする。 』の御説明を致しました。
 
この上記の内容は「 新規分譲マンション 」の企画・基本計画等、工事チェックやメンテナンスを行う上では、とても重要で大切な事柄ですので、是非参考にして戴きたいと存じます。
 
私は、常に超大手や大手ディベロッパーは一流とは限らないと私は言っております。
 
私の建築的価値観での独断で申し上げれば、一流と評価できますディベロッパーはほんの数社しか有りません。ほとんどが三流ディベロッパーなのです。
 
一流のディベロッパーは常に購入者( 入居者 )への細かい配慮が行き届いた質の良い「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」等を供給しています。
 
何度も申し上げています様に、不動産の分譲事業で一番大切なのは事業主( 売主 )の信用と顧客に対するきめ細かい配慮や物件の質の良さです。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとって「 超大手、大手ディベロッパーの寡占化 」に対抗し勝つ為には分譲物件の質の良さ、顧客への気遣いや細かい配慮及び将来クレームが生じない「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」を作り続ける事なのです。
 
ですので、毎回何度も注意を促しておりますが、商品内容の質やクレーム等で信用を落とすのは一瞬ですが、再度信用を築くには最低10年以上はかかります。
 
この事もよく肝に銘じて下さい。
 
次回、第99回はフェーズ8の「 モノづくり 」第6項目の『 購入者へのメンテナンスへの配慮 』5項目中の第4項目である『 横引き排水管や竪排水管の設置箇所には「 点検口 」が必要。 』に関してのお話を致します。
 
次回の内容も期待して戴ければ幸いと存じます。 以上。
 
 
 
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