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210軒目 「日本料理みや」 @所沢駅 ~所沢で人気の日本料理店

大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

今月は所沢にあります「日本料理みや」を紹介します。

 

 

こちらのオーナーシェフの宮本浩樹さんとは「東京和食五十嵐」という知人のクロダンボネ氏がやっていた日本料理店で知り合いました。

所沢は池袋から20分から30分くらいの距離の場所です。そして、この20分から30分移動してお客様に来ていただくのはなかなか難しいところがあります。


そもそも山の手線は環状なので、どの駅を起点にするかで、とても遠くなる場所があります。


例えば、私の場合、新宿が起点になりますので、千葉方面は大変遠く感じます。この30分を移動させて人気のある店の多くは「安い」というのを落としどころにしているケースが多いです。


ということで、2002年10月10日に開業して20年以上この環境でお店を成り立たせているわけですから、何かヒントがあると思います。そのヒントを探りたいと思います。

 
まず、「日本料理みや」を「食べログ」でチェックすると点数が3.90もあります。「食べログ」には、コース料理は税込36,900円とのことで、東京の日本料理店からするとそんなに高くない、所沢では別格に高いというスタンスなのでしょう。

お店は、個室と目の前で調理するカウンター席があります。地方のレストランにおいては、法人の飲み会や接待利用や家族の慶事、弔事などでの個室があると使い勝手が良いことから、まずこの席構成が長く所沢で愛されている要素なのではないかと思いました。

今回は6席ほどの目の前で調理をするライブ感があるカウンター席で食事です。カウンターに座ると榮光富士の「響明」が供せられ。

 

 

そのあと、ずら、ずらと本日の魚貝類が並びました。みんながスマホ(コンピューター)を持つようになり、自由に評価して、点数化して発信する評価経済社会となったのですが、このような高級食材をたくさん見せて圧倒するのは、レビューを書く人間にとっても良いのだと思います。

 


コスパよく凄いに勝る印象はなくて、20年ほど前の「未在」のお造りの凄さ、10年ほど前の「銀座しのはら」の八寸のすごさは代表だと思います。こちら「日本料理みや」の食材の提示も圧倒するところがあり、凄い!とお客様を圧倒することでしょう。

食材に圧倒されて、見入っていると、もくもくもくと白い煙をたてながら、葉の上にのせた秋田森岳の蓴菜が提供されます。

 

 


下には富山の白海老と徳谷トマトとその上澄み一番しぼりのゼリーが下にあってじゅんさいを落として食べる仕掛けです。

 

 

続いて、長野県天竜川の稚鮎の天ぷらが続きます。宮本親方との出会いの店となったクロダンボネの「東京和食五十嵐」は活けの鮎と黒ビールのペアリングにこだわっていました。

 

 


いまとなっては、活きた鮎をガラスの容器に入れる店が増えましたね。鮎は、鮎塩と酢橘でいただくのですが、なかなかおいしいです。

噴火湾のボタンエビ 塩と酢橘で続き、その後、蛤の貝殻が置かれます。

 


この貝殻には黒胡椒が入っていて味変ツールのようですが、蛤のお出しとホワイトアスパラガスの煮物椀が供せられました。

 

 

次のお料理がお造りで、虎魚と閖上の赤貝です。浜名湖海苔と虎魚の肝を浮かべた自家製柚子のポン酢ジュレが添えられています。

 

 


あっさり味わい深い虎魚とこのポン酢ジュレがなかなか相性良くおいしかったです。

穴子寿司が続きます。有明の海苔でいただくようになっています。

 

 

次のお料理は、宮本親方が焼き台で炙るとり貝が続きます。自分自身で炙る車海老の石焼きが続いて、噴火湾の毛蟹、一色の鰻、久慈の北ムラサキウニ、大原の伊勢海老、北海道産エゾバフンウニをのせた青森のクロアワビとクロアワビのリゾットとゆるぎなく高級食材が続きます。

 

 

日本料理店を回っていて、行きたい日本料理店の切り口を考えると、「予約がとれない」、「器が素晴らしい」、「凄い」という頂点の店がある一方で、料理がそつなくおいしく、会食シーン、人数にあわせて使い勝手が良い。こういうお店があります。

予約のとれない店は、店に主導権があるので高級食材を使えるわけで、予約のとれない演出に余念がないのです。器が素晴らしい店。例えば京都の「飯田」はこれにあたると思いますが、店主自身が器を好きなのでしょうが、素晴らしい器を使っているし、使い終わったらメンテナンスに出してしっかり維持していました。

このあと、お食事で、石川県白山の無農薬の棚田米の炊込みご飯でミニうな丼。真鯛の炭火焼きと由比の桜海老とスナップエンドウのご飯と二種の土鍋ご飯を用意していました。

 


水菓子の椰子の実の白わらび餅がなかなかおいしく、お土産で販売していました。

 

 

料理は総じておいしく、ただ、お客様の既知や経験とのすりあわせが必要になるので、ズワイガニや松茸なので、わかりやすい瞬間を感じる高級食材の季節は集客しやすいのだと思います。


一年中お客様がやってくるには、四季にひとつ目的となるここにしかない料理を提供するか、今更ローカルガストロノミーの話をするつもりはないですけど、所沢にわざわざ来なければならない理由といのが欲しいのかなと思いました。ともあれおいしい店なので、所沢に足を運ぶことがあれば、ぜひ、予約しておいて訪問してください。

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