さて、今回はフェーズ3「 顧客の声を知る 」の最初の項目『 用地取得前に「 マンション 」にするか「 戸建建売 」にするかの検討が大切。 』のお話を致します。
前回の第17回はフェーズ2の「 これから企業はどうしていくべきか 」の最終編で『 クレームが出ないように、ハード面での最低基準としての「 設計基準書 」を作製し、会社の憲法として如何なる場合でも遵守させる事 』でした。今回は今まで17回の内容に関連した顧客重視のもの創りの御説明を致します。
どんなに良い「 マンション 」や「 戸建建売 」を商品企画して、売り出してもその立地周辺の客のニーズや収入に合わなければ売れません。
現に、一例を申し上げますと小生の家の周辺で全く売れない「 建築条件付きの宅地分譲14区画 」「 建築条件付きの宅地分譲6区画 」や事業主購入後、約2年手付かずの「 マンション用地 」(約700坪)が有ります。
これら3物件を見ていますと、用地取得前の検討が不足していたのではないかと思います。
リーマンショック以降、大手デベの財閥系は用地取得前の検討を綿密に行なっています。
具体的にはそれぞれの財閥系デベがインターネットで取得予定の用地に○○平米のマンションを建てた場合、分譲価格が約○千万円台ですが購入致しますか?…それとも1区画○○平米で戸建の広さが○○平米で分譲価格が約○千万円台ですが購入致しますか?…という様なアンケートがかなり多く発信されていました。アンケートに回答すると景品(クオカード500円程度)がもらえる様になっていました。
財閥系のデベの方に御聞き致しますとこの手のアンケートはかなり効果が有り、参考になって助かった…と言っていました。
先程のアンケートの質問内容は上記だけでなく、かなり具体的に○○平米のマンションで価格は○千万円までなら購入致しますか?…また、もし戸建の建売にしましたら敷地○○平米で戸建の広さ○○平米で○千万円までなら購入致しますか?…と各々の広さと価格を何段階にも分けて質問しています。トータルで12項目~15項目位の質問項目が有りました。
この様なインターネットでのアンケートは僅か500円程度の景品を付けると効果が有り、回答者の住所、氏名、年齢、勤務先や年収まで書かせますので、顧客リストにも使えます。
小生の家の周辺の3物件は全て中堅デベの物件で用地取得前の検討が不足していたのだと思います。
特に中堅デベの傾向は用地取得後の検討になり遅すぎます。中堅デベこそ絶対に用地取得前に綿密な検討を行なって用地を取得するか否かを検討すべきです。用地購入費用は銀行等からの借り入れですので売れませんと金利がドンドン嵩んでいきますので下手をすれば「 倒産 」も有り得ます。
用地取得前の検討は充分に行なってください。
以上
碓井民朗