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201軒目 「鮨 ラビス 大阪 ヤニック・アレノ @大阪市 ~ヤニック・アレノ氏のSushi Restaurant」

大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

食べ友の友人、ふたりほどが、「こちらの店は文章で表現しきれなくて行ってみないとわからない」とFacebookで同じような文章を添えて投稿していて興味を持っていました。ちょうど関西に行く機会があり、仕事の翌日ランチで勉強方々確かめてきました。


今回紹介します「鮨 ラビス 大阪 ヤニック・アレノ」は北新地(になるのかな)に新しくできた「Four Seasons Hotel Osaka」にあります。ホテルのレセプションで鮨屋を予約したと伝えると「37階にあります」とのことです。

 

 

店に到着すると、カウンター越しに大阪の街なみが見えます。大変眺望の良いレストランです。

 

 

最初若手の女性スタッフに担当していたのですが、ヤニック・アレノシェフをご存知ですかと聞かれて、「エクストラクション」という技法を使うシェフですね、と応えると、面倒なお客に見えたかはわかりませんが、途中からかなり前にボストンのクラシックなほうのリッツカールトンホテルに宿泊した時にクラブフロアで、レストラン探しをするのに何度かお世話になったスーザン・ジョルジュを思い出すサービススタッフに担当がかわりました。


それで、彼女からはフォーシーズンらしくというかいろいろお話をいただきました。


ちなみに、「エクストラクション」とは真空パックの利用により食材を適切な温度で調理することができる技法です。これによって、油や他の食材を使用せずに素材の純粋なエキスを引き出すことができるようになり、フランス料理の真髄であるソースの可能性が広がったとのことです。
まあ、私は地方都市のレストランに行くことが多くて、パリ自体、あまり行かなくて、最終日の夜に夜に立ち寄るくらいが多いわけでしたが・・・


なお、「エクストラクション」は特許もとっているとサービスを担当する女性スタッフから説明を受けました(ヤニック・アレノ氏のプロフィールはWikpediaを参照ください)。


担当してくれた方からラビスの説明の歴史の説明があり、モナコの店は確か一つ星でしたね、と言うと、二つ星ですとかえってきました。これは失礼。


ミシュランの三つ星レストランを回る友人、藤山純二郎氏に、こちらのレストランに行くことを事前に伝えると、なんで星がつかなかったのか、審査員は来たのか聞いて来てくれとのことで、それからやたらメッセージが来ておりましたが、それはやめときましょう。


ちなみに、ラビスはフランス語で深海を意味していて店内には珊瑚などの装飾が施されているとのことです。担当してくれた方の説明によれば、ローレン夫人はデザイナーで店内の装飾を担当しているとのことです。眺めがよくて環境はとてもよいレストランです。

 

 

まずはアペリティフ。ノンアルコールを希望するとドイツのスパークリングがおすすめということで注文しました。

 

 

最初お料理は豌豆のお豆腐から。上にはセロリとミントのサラダと鱒のたまごがのせてあるそうで、いろいろなテクスチャをお楽しみくださいと説明がありました。

 

 

最初に香りが広がるシャキャキャした薬味と豆と、豆腐のねっとり感。最後に鱒子の塩味が軽くきます。開店当初はアレノシェフが確かアーティチョークの豆腐を作られたようでその季節変更をしているとのことです。


二皿目はちらし フランス風。すいません、画像はうっかりくずしてから撮影しています。

 

 

下には舌平目の骨を炊いている舌平目のジュレがあります。和牛と帆立と雲丹と胡瓜で、振り柚子してあります。最初の一口目は魚臭いかなと思うが混ぜ合わせて食べ進めるとまとまる印象です。まずまずおいしいです。


ここでガリ。ガリが一ひねりしてあります。りんごのガリがサービスされSushiがスタートです。

 

 

それで、サービスを担当してくれた方が寿司は各寿司職人に委ねていると説明がありました。アレノシェフは日本の鮨職人にリスペクトしていると。


最初に、真鯵から。この時期らしいですね。

 

 

外光が入り鰺が透き通って見えます。酢は贔屓にしている酢屋のブレンドの白酢を使っているとのことです。


本日、Sushiは中国人のLeeさんが担当してくれます。Leeさんは日本に留学中に寿司に出会ったとのことでSUSHI職人になったそうです。


続いて石鯛が供せられました。

 

 

梭子魚が続きます。柔らかな炙った香りが広がるふわふわな梭子魚です。

 

 

鮃の昆布〆。昆布を二枚の鮃に挟んで提供。塩見のある鮃です。

 

 

金目鯛

 

 

金目鯛は薄くスライスして二枚重ねてあります。金目鯛独特な臭みなく、ねっとり淡白な味わいですね。


牡丹海老、漬けまぐろと続きます。

 

 

漬けまぐろは中に鰹節が入っているとのことです。


最後は大トロとのことで、大トロは説明した後、目の前で切りつけます。鮪は見た目そんな大きくない鮪のようで、蛇腹だと思います。

 

 

それで、トロだけアレノシェフのアイデアが施されているとサービスを担当してくれた方から、揚げたエシャロットと生の生姜のみじん切りを大トロにのせて握っていますと説明がありました。揚げたエシャロットの香りが個性的です。

 

 

せっかくなので追加してみましょう。春子がおすすめのようです。

 

 

シャリの甘さを感じます。


ちなみにモナコの店は二つ星と言うことですが、才能ある職人の田崎さんによるところが大きいようです。今回は担当されませんでしたが、カウンターの奥で貫禄がある大将が握っています。


金箔と牛脂のお茶碗に牛と鶏のコンソメを卓上で入れてくれます。

 

 

香り付けに、ポットにはブラウンマッシュルーム、エノキ、昆布が入っていてそれを見せてくれました。昔、二つ星のころのレジス・マルコンに行った時に、これくらいのタイミングでマッシュルームスープがコーヒーの提供風に出てきて「おお」と思ったことを思い出しました。その軽い今風のバージョンですね。


最後にアレノシェフの店らしく、デザートです。

 

 

アバンデセールは梅と紫蘇のルバーブのゼリーです。メレンゲとディルと砂糖の結晶化で仕上げています。下に敷いてあるゼリーは薄味でしたがしっかりした酸を感じます。これが「エクストラクション」なのかもしれません。


サービスを担当してくれた方の説明によれば、前菜やデザートはテクニックを使っているとのことです。最近、いろいろなレストランで見かけますが、メレンゲのテクスチャ(サクミ)がいいですね。


続いて、焦がしたホワイトチョコレートのアイスクリーム 柚子のジュレとパパイヤが供せられます。

 

 

そば茶と麦茶、青リンゴとブラックレモンのパウダーです。シャリシャリ、プチプチ、ねっとり、酸っぱいです。バレンタインシェフが考案したデザートで、個性的です。


ローレン夫人がデザインした作品で水出しコーヒーの抽出をしていて、水出しコーヒーはいかがですかとサービスを担当してくれた方からサジェスチョンがあり、お願いしました。なかなか香りが良くておいしいコーヒーでした。


少しとなりのご婦人のグループが誕生会のようで蝋燭で演出しておりました。そう言う利用シーンにぴったりですね。


素材はなかなかなのでしょうけど、私のような東京の人間が「うまい寿司」を期待すると少しイメージと違うかもしれません。これが、食べ友が行かないとわからないという言葉の意味かもしれません。アレノシェフのSushi Restaurantですね。フランス人アレノシェフが考えるSushi Restaurantなのでしょう。


サービスを担当してくれた方にはいろいろ説明いただき、あっという間に2時間が過ぎてしました。今までにない時間を過ごすことができました。ぜひ、ご自身の目でお確かめになってください。

 

鮨 ラビス 大阪 ヤニック・アレノ
530-0003 大阪府大阪市北区堂島2-4-32
電話 06-6676-8591

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