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203軒目 「紺野酒店 @大阪府大阪市上野芝 ~ワイン屋のお宅レストラン」

大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

 コロナ禍になる前の数年前の話です。
 「大久保先生、大阪の飲食店開業のコンペに参加したいんですけど良いですか」とアライアンスをしている日本コンサルタントグループ株式会社の齋藤さんから、福島の震災復興がらみの仕事の問い合わせがありました。


 はい、良いですよと応えると、それで(応募)条件なのですが、ワインがわかる方としか書いてないんです。だからか現状、一件も入札が入っていないんです。


 そりゃそうですね。どうにでもとれるニュアンスの条件ですからね。でも、こういう案件が飛び込んできたのも巡り合せ、やってみましょう。


 それで、社長とコンサルティングの面談の運びになり、現在お店がある上野芝に出向くことになりました。


 現地に到着するとワインの在庫のリストが渡されました。巡り合わせというのは不思議なものでして、新橋にあります「ラ・フィネス」というレストランで、当時年六回くらい高級ワインの勉強会を会員向けに開催しておりまして、そこで課題になったワインばかりだったのです。それで、社長とワインについての感想や好みの情報交換などをして意気投合し、無事御縁をいただくことになりました。


 今から考えると、ピンポイントなワインたちだったなと思うのですが。


 紺野酒店ワインリストを見ると本数が多かったのが、クロ・ド・デュガ、ブルーノ・パイアールでした。そして、店のコンセプトを高級ワインの試飲室ということで話が進みました。

 毎回、打ち合わせの時にデュガやグロフィエなどのワインが毎回出てくるのでとても、おいしい仕事となりました。


 ある時、デュガのジュブレシャンベルタンを飲んでいて、ふと会員で但馬の畜産家の上田伸也さんの顔が思い浮かびました。それで、但馬玄のステーキをこちらのお店で提供しようと思い提案して、紺野さんの奥さんの葉子さんや娘さんと但馬に農場見学に行くことになりました。


 その時の訪問には新宿で「肉しゃぶ家」をやっている髙忠伸(こうちゅんしん)さんもお誘いしてゆきました。忠伸さんは但馬玄を大変お気に召していただきました。その後、銀座で但馬玄プレステージレストラン「東京肉しゃぶ家 秀彬」をオープンされました。


 紺野さんには、ちょうど上田さんが加工場を充実して強力なアルコール凍結機を入れる予定だったので、カットしたポーションを急速冷凍にしてもらって、店では冷凍のまま、サーキュレータ―が入った低温のお湯の中で加熱して、最後にフライパンで煽るようにオペレーションを設計しました。これが高級住宅地の上野芝にあったようで但馬玄のステーキとワインを求めてやってくる人が来ております。


 前置きは長くなりましたが、伊香保で「ホテル木暮」をやっている会員の木暮さんからワインを買いに行きたいということで、大阪訪問の折、食事をご一緒することにしました。

 

 

 ランチお食事はコース仕立てになっており、私は鶏の香草パン粉焼き、木暮さんは但馬玄のもものステーキを注文しました。グラスワインを注文するとコロナ禍くらいからやめてしまったようで、ボトルでお願いしますと奥様の葉子さん。ちょうど病み上がりの社長がいらっしゃったので、軽めの赤をお願いしたいと伝えると、セラーから持ってきたのがジブリオットでした。

 

 

 2004 Gevrey-Chambertin La Gibryotte
 おお!これはグラスワインのつもりが上等なワインです。

 

 

 社長は先日、ワイン会をやって1983年のDRCのリシュブールを開けてとても良い状態であったと話され、こんな白も出したと空になったボトルを持ってきました。

 

 

 ボトルの臭いを嗅ぎましたが、まったく臭いはしませんでしたが・・



 お料理はサラダからスタートです。

 

 

 続いては、前菜三種で、和牛生ハムとミラベラチーズ、紅くるりという紅太根の酢のです。


 和牛生ハムはこれまた会員の中谷さんの「忠源」の生ハムですね。ミラベルはロレーヌ地方のウォッシュチーズ「カレ・ド・レスト」をベースに、同じロレーヌ地方特産の果物「ミラベル」からつくる蒸留酒(オード・ヴィー)で表皮を洗いながら熟成されるウォッシュチーズです。外皮は艶やかなオレンジ色、やや強めの香りを放ちますが、むっちりとした中身は優しい味わい。中心に芯が残る若いうちは仄かな酸味があり軽やか。柔らかく食べ頃に熟成すると、ミラベルの香りとミルクの甘み、たっぷりと重量感を感じることができます。(参考 https://shop.fermier.co.jp/view/item/000000000132)、紅くるりはかなり酸味があります。

 

 

 ここで、息子の喜弘さんが試飲してみますかと修業先のつくっているみりん、黄金蜜酒(福島県の鈴木酒造)を持ってきました。三河のみりんとちがって、食後酒に使いたいくらですね。

 

 

 葉子さんからお隣の席の客人を紹介されます。紺野さんと同じ同郷の後輩という獨協医科大学の上田善彦名誉教授でした。紺野社長は上田名誉教授に白ワインをサービスすると、私たちにもそれぞれ試飲させていただきました。


 それで、私のメインの鶏の香草パン粉焼きが到着しました。

 

 

 お料理上手の葉子さんの鶏の香草パン粉焼きおいしい。

 

 

 但馬玄のももステーキも到着しました。50分くらいじっくり低温調理をして、最後にフライパンで煽ります。すると糖分があるのでしょう、良い焼き色に仕上がります。

 

 

 お食事は土鍋ご飯です。味噌汁がつきます。ご飯もおいしいです。

 

 

 デザートもついていて、スイートポテトです。先ほどの黄金蜜酒の香りがしておいしいですね。

 

 

 食後にネルドリップコーヒー。これもおいしい。


 予約すれば、低温ワインセラーを見学することができます。浪江から疎開して10年時がとまったセラー故に、掘り出しもののワインがあるかもしれません。


 天王寺から阪和線で20分くらいです。ぜひ、お出かけください。

 

紺野酒店
大阪府堺市西区上野芝向ヶ丘町2丁17ー10
072-277-3054
HP: https://e-wine-konno.com/

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