地震、津波、原発の三重苦、被災された方々、特に経営者の皆々様に心よりお見舞い申し上げます。
平素より私は『マサカの坂』があり、ころげ落ちる危機感を持って経営をしなさい。経営絶頂期に投資をする時や、年老いての決断は恐ろしいと申し上げました。
今回も東北の経営者からメールや電話で対策を求められましたが、つくづく感じたことは平素よりの危機管理が弱いという事です。
皆さんの会社でも、もし東日本大震災のような被害を被ったなら、企業をどのようにして生き残らせますか?
その具体的な対策を打てるでしょうか?
平素よりシュミレーションをして対策をお立てになることが肝要です。
人
・仕事が出来なくなります。給与が支払えなくなります。収入がなくっても全社員の1カ月分の給与を、前月の売掛金が滞っても支払う事が出来ますか?
・社員をひとまず解雇しなくてはなりません。解雇の仕方、失業保険の取り方、休業補償の仕方、ご存じです?
(社員の安否確認は携帯も固定電話も役立ちませんでした)
金
・借金は全く返済できません。月々の返済は待っていただけます。しかし、帳消しにはなりません。
・政府系(日本政策金融公庫、商工組合中央金庫など)はすぐさま借入に応じてくれますが、新しい借金の返済が出来るかどうか? 借金地獄の日々に陥ります。
・それまでの借金総額が多ければ多いほど立ち直る可能性は少なくなります。
物
・まず原材料がストップします。設備、客先が存在しても入らなくなります。
(農作物、牧畜、養豚作物はすべて死にます)
・出荷が不可能になりました(原材料、燃料、ガソリン、交通アクセス)
・工場が無事な会社でも設備を動かす人間がいません
・電気が通じません、燃料がありません
・それらがあっても誰も買ってくれません
今回、そんな中にあってもたくましく、生き残りをかけて、ギブアップせず、知恵を出して闘い抜いている企業がありました。
・トラックの軽油がどこにもないがその中で、燃料を探しだした企業
・運輸がストップしているのに商品を東京の顧客に納品した企業
・働く人が皆、被災しているのに客の注文に応じて人を集めて作業した会社
・帰り用のガソリンがないのに被災地まで車両数台編成して応援に駆け付けつけた会社
・地震保険、休業補償保険を掛けておいた会社
・他企業とのネットワークで助けられた企業
私の知っているだけでも災いを克服した企業があります。
もし、皆さんの企業はその時はどのように対処されますでしょうか・・・
平素から最悪を考えて、毎日の業務を遂行していくことは大切なことだと痛感しております。