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社員教育・営業

第202回「社内講師制度の作り方」

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

前回、「若手社員とのコミュニケーション実践術」についてお話しました。今回は、「社内講師制度の作り方」についてお話します。

 まず、今回は前回の内容のエッセンスを繰り返します。コミュニケーションが日本で起こったのは明治時代からです。そこから2000年以降現在に至るまで、人財育成・人間関係・対人関係・親子関係・子育て・マネージメントなどあらゆる分野に広がりました。コミュニケーションは言葉を交わすことが肝です。しかし突然、「さぁ、話しましょう」ではハードルが高いので、準備運動として「雑談コミュニケーション」に寄り道いたしました。雑談コミュニケーションは楽しい寄り道ではありませんでしたか?そしてゴールの「若手社員とのコミュニケーション実践術」に到達しました。

今回の「社内講師制度の作り方」の主軸が全く前回に繋がる流れなのです。新人さんも巻き込んで「誰もがなれる」社内講師制度です。力をあわせて構築していきましょう。

きっと皆さんは、講師って時間を掛けて多くのことを学び、話し方も上手で、敬語も間違いなく使えて、、、私には無理、無理、無理と勝手に二歩も三歩も気持ちが後退りしていませんか?そのような気持ちを抱くことはよく分かります。何故なら過去の私がそうでしたから。勝手に自分にこの仕事は向かないと思っていました。に誘ってくれた人に十年断り続けてきました。

では何故やってみようと思ったのかーーー彼女の二つのセンテンスでした。「騙されたと思って一度体験してみてよ。それから決めればいいじゃない」と「教えることってね、実は学ぶことなのだけど」でした。特に二つ目のセンテンスに惹かれました。この世界でやっと一人前になった時、自分の浅はかさが原因で自らのチャンスの幾つかを、潰してきたかも知れないと思った。

では「誰もが」とは、どういうことだと思いますか?私は、「人は誰でも必ず言葉に出して言えるような良いところを持っている」と信じています。先輩・同僚・後輩という括りの手前の「人として」で考えた時、私は心からそのように感じています。「人」という立ち位置から見ての話です。

ただ何故か、人は人を判断するとき「マイナス面」を探すのは簡単けれど、「プラス面」を探すのは苦手の傾向にあると思いませんか?私達は「相手中心」という言葉を口に出したり聞いたりします。でも人の常として、無意識に判断するときの基準は、なぜか自分を優位に立たせてしまうように思えませんか?

そのため研修では、ペアになって相手の良い所を10分間に何点褒められたかを体験してもらっています。どこの会場でもその後の感想を伺うと「人の良いところを探すのは結構難しい」という意見が出ます。これを読んだあなたはどのように感じますか。「プラス面」を探すのが難しい理由の一つは、すでに申しあげました。私はさらに、あなた自身が公平かつ客観的な相手の「プラス面」の微かな兆しであっても、探せるだけの力を育むことだと考えます。

 何故ここで「プラス面」ということに強く拘るかというと、プラス面を自覚すると、それを仕事に活かせるからです。具体的な例で申し上げます。ある県で手広く薬局を展開している企業様から、研修のご依頼をいただきました。何年振りかのお客様アンケートの結果で、「大変良い」の評価がダウンしたのでフォローアップの接遇研修をとのご依頼でした。

研修に参加されたスタッフのお一人Bさんは最初から良い笑顔が出ているタイプの方でした。ロープレする前に笑顔の効用について話し合ってもらうなかでBさんの笑顔が素敵と周りから聞こえてきました。確かにまれに笑いながら生まれてきたのかしらと思えるタイプの方がいますが、この方はまさにそのような方でした)もちろん自覚できた「プラス面」はさらに伸ばしたり広げたりする努力が必要です。そうすることで自ら第一人者を名乗るに相応しい人になれます。是非「○○については△△さんが自社の第一人者」と言われるように自分を育ててください。

この時点でもう社歴は関係ないということがお分かりになりますね。(このとき、自分の確固とした居場所作りも同時に進行しています)。さらにその自信は仕事のモチベーションに変容します。つまり、一人一人の努力により獲得でしていけるものです。自分の意思で考えて行動できるのは、まさに自立型人材といえます。

 また面白いと感じるのは、自分は「マイナス面」と思うのに、相手から見ると「プラス面」と、感じ方が180度異なることもあります。私にはAさんという友人がいます。文章をチェックするとき、細かく気になる彼女は自分のその傾向を「マイナス面」と考えています。あれこれ細かく気になりだすと直したい言葉一つに、5個も6個も類語や同義語を並べて考え始めると時間ばかりが立ってしまい、非効率すぎると言います。

私は逆にその細やかさが二重の確認にもなり、仕事の品質を守ることに繋がると思えます。そこを私は彼女の「プラス面」と評価しています。ただこれは、職種や状況によっても揺らぎは出るでしょうから、意識して複眼で観たり、多面的に考えたりできるようなトレーニングの導入もお考えください。講師としての役割のメインは人を育てることです。ここは育成にやや時間がかかりますが、何年もこの職種の中で学んだことは、ジャンプには助走が必要ですが、その助走の長さが人それぞれなのです。そしてその助走に寄り添うことが、成功の瞬間をともに見せていただけるのです。

 会社にとって、自律型人材が多ければ多いほど会社の推進力が強くなります。何かのプロジェクトを新しく立ち上げたとします。社員お互いのプラス面=良いところを認め合い、高めあったメンバーが社歴の箍(たが)を外して真剣勝負ができます。自他のよいところを認め伸ばしあうことは、自分達の能力の『見える・聞く・感じる』などが、『より見える・より聞こえる・より感じる』になります。「人として」の部分が固まれば「作り方」は具体的な運営方法などを話し合えば、その形はあまり時間をかけずに整っていくでしょう。会社の状況に合わせて、長続きさせられる方法を中心に据えて進められます。最初は「型」を定め、定期的に取り組みやすい「形」に修正していくので良いと考えます。

 最後に、谷川俊太郎の「冬に」という詩を                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         ご存じの方もいらっしゃると思いますが、その一部を抜粋して皆さんに贈ります。(「冬に」「谷川俊太郎」をパソコンで検索すると全部を読むことができます)今後の道しるべとして、ときおり思いだしてください。私は「ほめたたえる」の「たたえる」に詩人の感性はすばらしいと「目からうろこ」でした。「人」に対して思い切りの愛情を持っていらっしゃるからこそ、お使いになれる言葉と思えます。この詩を百人が読んだら、きっと百通りの感想が出るでしょう。

冬に      谷川俊太郎
ほめたたえるために生まれてきたのだ
ののしるために生まれてきたのではない
否定するために生まれてきたのではない
肯定するために生まれてきたのだ

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