調査官が見逃さない経理関係書類の不備

中小企業の社長にとって、税務調査は決して心地よいものではありません。
「うちは正しく申告しているから大丈夫」と思っていても、いざ調査官がやってくるとなれば、社長と経理は緊張し不安になるものです。
税務調査で調査官が最も目を光らせるのは、帳簿の数字と証憑(しょうひょう)書類の内容が首尾一貫して、正しく経理処理されているかという点です。
会計ソフトを導入し、綺麗に帳簿と決算書を作っていても、その根拠となる領収書や請求書などの証憑書類に不備があれば、一瞬にして経理の信頼性は崩れ去ります。
最悪の場合、経費として認められず、ペナルティとして多額の追徴課税を課されることもあります。
税務調査では、帳簿の数字が正しいかどうかだけではなく、その数字を裏付ける証憑書類が適切に保存され、取引内容と整合しているかを徹底的に点検されます。
会計伝票や総勘定元帳が正しく処理されていても、取引の実態や必要性を示す証拠能力が弱いと、売上や経費の計上に疑義を持たれやすくなります。
そこで今回は、税務調査における証憑書類の重要性について、解説します。
前回の税務調査から何年経過していますか?
税務調査で準備すべき証憑書類
中小企業に対して実施される税務調査のほとんどは任意調査です。
任意調査とはいえ、税務職員には質問検査権が認められており、帳簿や証憑書類の提示を求められた場合には正当な理由なく拒否することはできません。
税務署から顧問税理士または会社へ電話で連絡があり、調査の対象税目(法人税・消費税・源泉所得税)、調査対象期間(通常3年)、調査官の人数、調査予定日(通常2〜3日間)が伝えられます。
その際に、税務調査の対象事業年度の帳簿や経理関係書類の準備を依頼されます。
現地調査で提出を求められる帳簿と証憑書類は、次のように多岐にわたります。
帳簿:総勘定元帳、仕訳帳、売上帳、仕入帳、固定資産台帳など
証憑書類:領収書、請求書、契約書、納品書、見積書など
その他:預金通帳、賃金台帳、源泉徴収簿、株主総会・取締役会議事録など
提示した帳簿や経理関係書類が、きちんと見やすく整理保管されていると、調査官に「この会社は管理がしっかりしている」という好印象を与える重要なポイントになります。
経理関係書類は事業年度ごとに整理保管されていますか?



















