調査官は帳簿と証憑書類の整合性を見ている

日程調整された日時に、税務署職員が会社を訪問し、現地調査が始まります。
初日の午前中は、会社概要や事業内容についてヒアリングが行われ、その後、帳簿や証憑書類の確認へ進みます。
税務調査は、「決算申告書に記載されている数字は、本当に事実に基づいているか」を確かめる作業です。
そのために調査官は、帳簿と証憑書類との整合性を重点的に確認し、数字の裏付けを検証します。
たとえば、多額の経費が計上されているにもかかわらず、手元には領収書1枚だけで、見積書や納品書などがない場合、架空取引が疑われます。
また、証憑書類の日付に関しては、特に決算日前後の取引関係書類は厳しく見られます。
会計帳簿の期末の経費計上について、該当する領収書や請求書だけでなく、納品書や検収書の日付と帳簿の日付を厳密に突き合わせます。
「来期の経費を今期に前倒しで計上していないか」をすべての調査官が調べます。
特に中小企業の税務調査では、社長や従業員の私的な支出の領収書等が混入していないかという視点でも調査されます。
調査官に疑義をかけられないように、領収書の裏などにビジネス上の取引であることを示すメモ書きをしておき、指摘されたときに説明できるようにしておきましょう。
税務調査で見られたら困る取引はないですか?
電子帳簿保存法施行後の税務調査の留意点

電子帳簿保存法の施行により、税務調査で確認される対象は紙の書類だけではありません。
電子メールで受領したPDF形式の請求書や領収書、ECサイトの購入明細なども電子取引データとして保存義務の対象となります。
経理部門では、次の点を定期的に点検しておくことをお勧めします。
メール添付のPDF形式の請求書を現場社員のパソコンにダウンロードするのではなく、社内で統一した保管場所にルールを決めて保存するように徹底します。
税務調査で電子取引データが即座に見当たらない場合、現場社員のパソコンのデータやメール履歴にまで調査が及ぶことになる恐れがあるので、注意してください。
税務調査では、電子データを取引年月日、取引金額、取引先などのキーワードで速やかに検索できる状態になっているかが確認されます。
ファイル名や保存フォルダの保管ルールを統一し、誰でもデータ検索できる運用を整備しておくことが重要です。
検索できない状態だと、調査官がすべての電子取引データのダウンロードを要求してきても拒否することができないことになっています。
さらに、電子データの改ざん防止措置も重要です。
訂正・削除履歴が残る電子帳簿保存法対応の証憑データ管理システムを利用している場合は、問題ありません。
そうでない場合は、電子取引データの保管に関する事務処理規程を整備しておき、全社員が規定どおりに運用するように徹底しておきましょう。
もし、電子データを改ざんしていたことが発覚した場合、紙書類の改ざんよりも重い処罰を受けることになります。
経理担当者だけでなく、営業担当者や現場責任者も含めて保存ルールを社内で共有することが大切です。
電子取引データの保管ルールは会社全体で守られていますか?





















