「現預金を多額に置いてはいけない?なぜですか?」とおっしゃる方が多いのです。銀行借入金のない無借金会社なら仕方がありませんが、銀行に預けっぱなしにしないで余っている金は借金の返済に回しなさい!
多額のお金を銀行から借入れて、銀行預金口座においていらっしゃって、わが社の資金繰りは大丈夫とおっしゃっている社長がいらっしゃいます。
「社長 その現預金、銀行から借りて金利を支払ってお持ちなんでしょう。預金の受取利息から借入金の支払利息を引いたら赤字でしょう。返済もあるのですよ。」
「なに?借りっぱなしでよいから、返済は考えなくてよい!それが後にこわいことになるのですよ!」
金融事情が変わると「返せ!」となります。リーマンショックの時がそうでした。晴れもあれば雨の時もあるのです。私は、月末や期末の現預金は月商の1/2もあれば充分だと申し上げています。女性や奥様が金庫番をしている会社は、現預金を持ち過ぎの傾向があるのです。なぜかって?女性は心配性だからです。
「急に何か多額のお金が要ることがあれば困るから・・」とおっしゃいます。何が急に多額のお金が必要なのですか?そんな事は始終あるのでしょうか。前々から多額の支出がいつ必要かは解ることが、経営ですし、当座借越契約をしておけばいいのですが・・・
大手米問屋 大峰産業(仮称)の決算書を拝見させていただいた時、「びっくりしたのです」。年商2千億円 月商170億円の会社の期末現預金は300万円なのです。
米屋問屋である大峰産業の棚卸在庫はゼロなのです。精米工場の横には米のサイロがあるのですよ! 財務担当の専務に疑問をぶつけました。その答えは、しごく当り前、もっともなものでした。
「米農家(農協)への支払いは10日ごと現金です。儲けの利幅は3~5%といたって少ないものです。得意先スーパーからの回収は30日です。今日仕入れた原米を今日精米して袋詰めして、今日中にお客様に届ける。
今日仕入れるとは、隣の敷地のサイロの中身は農協様のもので、このパイプを通して(流動計器)でわが社の工場に入った瞬間にわが社の仕入れが発生します。だから期末在庫もゼロです。」
隣地のサイロ設備は他社のもので、原米の預かり料は農協が支払っているのです。薄利で早い支払いサイト、まして米も生鮮食品で品質は時間との勝負なのです。いかに速く回転を考えないと利益は出ないのです。
1か月30日の間、いつ売上が入金されるのですか?入金日は解っているはずです。その30日の間、いつ支払いが発生し出金されるのですか?これも解っています。
入・出金の日は決っているはずです。入金が先、その後に出金する。これを真剣に考えれば期末には現預金はそんなに多く要りませんし、私の申しあげる月初に月収の1/2あれば何も問題はありません。銀行に短期借入金を借りることも無いはずです。要は真剣に真面目に、毎日、毎日資金繰りを考えていないから現預金が必要なのです。
小口現金も拠点の多い会社は多く現預金が滞留しています。キャッシュレス時代の今時、拠点に現預金は要らない時代です。使い込みのトラブルも現預金の多い会社は発生してしまうのです。
収益性の悪い会社ほど、貸借対照表を見れば、借りなくてもよい短期借入金を多く借りて、預金口座に置いておられる。歩積両建と称していますし、銀行にとっては倒産されても預金をおさえられるので安心ですね。金融庁はこれを「してはならぬ」と言っていますが、弱い会社、財務に弱い会社ほどしなくてもいい借金をしているのは、本当に困ったものです。
銀行の信用度で見られている自己資本比率を大きくしたいなら、借金を減らすべきです。現金は必要なだけ置いておけばいいのですよ。
「先生、そう言っても中途で返済しようとしても違約金を支払えと銀行は脅してきますよ!」
「それでは契約の時に中途返済も可能な約束を取り付ければいいでしょ!」
まして短期借入は単名手形に期日に印鑑を押しているだけでしょう。
期日満期日に次の単名手形に印鑑を押さなければいいだけでしょう。
無借金の会社にしてみなさい。毎年受取利息が増加し、返済がなくなりますので、預貯金が自動的に増加しキャッシュフローが良くなり、本当に経営者として気が休まるのですが・・・。








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