30年間デフレに悩まされた多くの会社。2024年頃から日本をとりまく経済環境が変わり、値上げ交渉をしなくてはならないインフレ環境に変わってきました。
値上げ交渉にトップ自ら、得意先の上級幹部と話し合いをしない事には前には進みません。売価交渉は、平の営業員の仕事ではありません。得意先様も先方の得意先様との値上げ交渉に挑んでおられることが分かるはずです。
どこの会社も値上げ交渉が今日の大切な上級幹部の業務になっているのです。
当然、交渉事では満額了承して頂けることも、要求が通らないことも発生してきます。しかし、頻繁にしなくてはならないのです。
スムーズに値上げが通る会社もあれば、難しくなかなか値上げが思う様に通らない会社もあります。なぜ?でしょうか・・・。
そこにはその会社の「価値」があるのです。
値上げを認めず、切ってしまっても別に会社の業績に影響がない会社であれば、値上げは認めてもらえないのです。得意先にとって、わが社が提供する商品・サービスが必要であり、根本から満足しているかどうかなのです。
今は値上げが通らない会社があれば、会社自身の取引を停止される会社もあるのです。このデフレ期の30年間に何をしていたのでしょうか?毎年、デフレスパイラルで値下がりの時代、幹部としては値上げの話ができるインフレ時代の到来を望んではいなかったのでしょうか!やがて来たるインフレ時に、値上げをお願いする、その時は一気に価格交渉をしなければと思っていなかったのではないでしょうか?値上げする際の一番のポイントは「我が社の提供する商品力」があるかどうか!であると、私は申してきたのです。
「どこにでもある」「なんの特徴もない」売り物では、値上げを申し入れれば顧客にソッポを向かれてしまう。そんな事があってはならないと申し上げてきたのです。
いくらセールスマンが足繁く通ってくれて、お世辞を述べても値段は上がらないのです。販売先の会社にとって、わが社の商品・サービスがなくてはならぬ、大切であると思われているかどうかなのです。
埼玉県にあるアサヒロジスティクスの横塚社長と会話した時、「物流業なので24年問題、ドライバー不足で業界が大変だとお客様に理解していただいて、お蔭様で価格交渉はうまくいっています。」と満面の笑顔でおっしゃっていました。
コンビニエンスストアに毎日配送している物流業者で、労務問題に早く取り組んでこられたアサヒロジスティクスでは、極端な人手不足問題は起こしていないのです。
大手コンビニ会社では、地域物流センターと契約している会社が5社あっても、その内の2社はいつも人手不足で問題を起こし、コンビニの物流担当者を悩ませている。ダメな会社を切って、優良会社に助けてもらいたいと彼等は思っているのです。
担当者は「どうか倒産しないで安定して毎日配送してください」と頼まれるばかりで、料金値上げもスムーズに出来たとの報告がありました。
物流担当責任者にしてみれば、365日毎日商品を店頭にきっちり並べるのが仕事。それが物流業者のマネジメントのつたなさで安定しないと、担当者は頭を抱える大きな損失になるのです。
値段の問題ではなく協力配送会社の安定した信用があるか、ないかなのです。皆さんの会社はお客様からみて、「なくてはならない会社になっているか」かどうかなのです。
値上げが通らない業界があります。タクシー・私鉄の運賃は政府の承認が必要です。医療の病院経営、この業界は国の方針によって価格が決まります。
本年の医療価格の改定で病院経営は、80%病院が赤字に落ち込んでいます。コロナ騒ぎで笑った病院と涙した病院、ここへきて赤字に悩まされている業界があるのです。しかしこの100年間、医療費の改定で赤字になったり黒字になったり、そこへきて人手不足、医療業界は真剣な経営(特に財務)をしていないから倒産が起こるのです。医療業界は多くの労務問題や財務課題を抱えていますが、しかし国が相手の為、売掛金の取りはずれはありません。100%回収できる甘えた業界です。
私は何十年も、「自社の売り物、商品、もしくはサービスをコモディティ(普通)からスペシャリティ(特別)に変えなさい」と申し上げてきました。「どこにでもある」から「どこにもない」に変えなさいと申し上げてきたのです。少子高齢化社会を迎えた今日、マス(大量)は終わります。単価の低いビジネスは苦しいのです。売価が付加価値のある(粗利益率の高い)ものでないと、人件費の高くなる時代には生き残れないのです。
これらの希望売価を通すには「我が社の提供商品・サービス」が顧客に抵抗なく受け入れられる商品開発なくしては実現しないのです。








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