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戦略・戦術

第64話 「定期昇給の無い給与体系」

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 ひとつ年を取ると定期的に給与を何がしか上げます。年功序列賃金を構成する重要な要素の一つが定期昇給制度です。
 
 なぜ1年たつと給与を上げるのでしょうか?
 
 その根拠としては1年間仕事を続ければ、それだけ仕事の習熟度が高くなり、成果が出るはずという事でしょう。
 
 たしかにその仕事について数年間は、そういう関係が成り立つかもしれない。だから新入社員が一年間経過したので給与を上げると言う事は、必ずしも間違いとは限らない。しかし、それから同じ仕事を3年、5年と続ける人が、年々能力を上げ続ける事が出来るのか?
 
 今はコンピューターによる機械化が進んでいる時代です。経験が役に立たない仕事が増えてきました。かえって経験が新しい仕事の進め方の邪魔になることもあります。学校を出たばかりの新人社員が半年も現場に居れば、コンピューターを使いこなして楽々とベテラン並みの仕事をするようになります。仕事によっては、へたなベテランよりはるかに成果を上げることができる時代に現実はなっているのです。
 
 ところが、定期昇給はそれとはおかまいないしに実施されています。20歳代の社員と同じ仕事をやっている50歳代の社員の給与が2倍、3倍となっていては仕事の成果に見合わないのも当たり前ではないでしょうか。
 世界最高水準の賃金となって、これまでの賃金制度そのものが、現実と合わない部分が目立ってきたのです。
 
 私が、こう言い切ると「いやあー 彼には監督職として、若手社員の仕事の管理と指導育成というレベルの高い仕事をやらせているので、当然給与が高いのです」と、このような制度に矛盾を感じない人たちから反論されるかもしれません。
 
 ではそういう方に質問します。
 
 係長だとか主任という役職にある人たちが、全員、監督職の仕事を自覚して、高い給与に見合うようにちゃんと職務をこなしているでしょうか。
 
 会社側もそれをチェックしているかといえば、ほとんどがいい加減、なあなあで済ませてきたのではないでしょうか。実は、部長や課長などの管理職、いや役員ですら怪しいものです。
 
 それには給与が高くなって、ベテランだからという理由で、本人の適性も考えずに、係長だ 主任だと任命してしまう事にも一因があります。
 
 極論すれば歳をとるごとに、給与をあげるために、もっともらしい役職を考えて与えていると言われても反論できないでしょう。
 
 年をとっても専門職、職人技量はあっても、指導力・統率力・チームワーク・リーダーシップ等の管理マネジメントが全くできない高齢者が増えては組織はやっていけないのです。「名選手、名監督にあらず」です。
 
 このような定期昇給のあり方は、これから抜本的に改めなければならない。それには定期昇給の無い制度を考えることだ。

 

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