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第142回 ニセコ湯本温泉(北海道) 天然の泥湯パックが楽しめる美肌の湯

高橋一喜の『これぞ!"本物の温泉"』

■大自然の神秘「大湯沼」

 北海道の西部、ニセコは北海道を代表するリゾート地であると同時に、良質な源泉が点在する温泉地でもある。ニセコの山々を南北に縫うように延びるニセコパノラマライン(道道66号線)を走っていると、もくもくと白煙を上げる沼が姿をあらわす。沼底から120℃を超す高温の温泉が湧き出す「大湯沼」である。

 灰色の不気味な色彩の沼に近づくと、車の中にも硫黄泉独特の焦げたような匂いが侵入してくる。世の中にはこの匂いが苦手な人もいるが、筆者の場合は「温泉にやってきたなあ」という喜びでテンションが上がる。温泉の芳香剤があったら、家で使いたいくらいである。

 大湯沼は、縦50メートル、横90メートル、周囲約200メートル。毎分約1000リットルもの湧出量を誇る。周囲の新緑の山々と灰色に濁った水面のコントラストが美しく、神秘的だ。明治時代までは間歇泉で、一定時間ごとに数メートルの湯が噴き上がっていたとか。

 沼のまわりは、一周できるように遊歩道が整備され、温泉が湧き出す様子を間近で見学することができる。泥色の湯がグツグツと沸きあがっている様は、まるで地球が呼吸をしているかのよう。まさに大地のエネルギーを体感できるパワースポットである。

■「大湯沼」から引いた硫黄泉

 「この沼に浸かったら、どんな気分だろうか」と妄想してしまうのは温泉好きの性(さが)であるが、うれしいことに、大湯沼のすぐ隣には、気楽に立ち寄れる日帰り温泉施設がある。大湯沼を泉源とするニセコ湯本温泉「蘭越町交流促進センター 雪秩父」だ。その名は、秩父宮雍仁親王が青年将校時代の1928年、ニセコにスキーに来たことに由来する。

 ニセコチセヌプリスキー場の麓に立つ町営の温泉施設で、大湯沼から引いた新鮮な湯に入浴できる。もともとは国民宿舎だったが、2015年に大幅リニューアル。日帰り入浴客に人気のスポットとなっている。

 内湯の浴場には湯船が2つあり、白く濁った硫黄泉がかけ流し。室内のせいか、温泉の匂いも強烈だ。舌で舐めると、かすかに酸味がある。粉っぽくてドロドロとした濃厚な湯は、肌にまとわりつく感覚がある。濃厚な湯に5分もつかっていると、汗が噴き出してくる。

 内湯もよいが、開放感たっぷりの露天風呂も魅力的だ。ニセコの山々がすぐそこまで迫り、ニセコチセヌプリスキー場は目と鼻の先である。北の大地らしい壮大なロケーションだ。
 
 湯船には白濁を超えて、灰色に見える湯がなみなみと注がれている。硫黄泉らしい焦げた匂いが強く、ドロドロした肌触りの湯の中にどっぷり浸かっていると、まるで大湯沼に浸かっているような気分になる。

■女湯の名物「泥湯」

 露天の湯船で一緒になったのは、利尻山(利尻島)に登頂した帰りに立ち寄ったという男性。25年かけて夫婦で日本百名山を制覇したとのこと。「登山後は温泉で疲れを癒やすのが楽しみ。全国300以上の湯に入ったけど、ニセコエリアの温泉は特にすばらしい」とニコリ。78歳に見えないほどかくしゃくとしているのは、登山と温泉の効果に違いない。

 男性の話によると、女湯の露天風呂には湯船が5つもあり、開放感も男湯以上だという。しかも「湯花の湯」という湯船は、温泉内の泥が堆積した泥湯が名物。その泥を肌に塗って、天然の泥パックが楽しめるというわけだ。硫黄泉なので美白・美肌効果を期待できる。

 その事実を聞いた筆者は「男だって、泥パックがしたいぞ!」と地団駄を踏み、男性は「女房がうらやましい」と恨み節をもらしていた。

 温泉といえば男の遊興場だった昭和の時代。入浴客が多い男湯のほうは湯船も広く、露天風呂のつくりも立派というのが世の流れだった。それを考えると、隔世の感がある「女性にやさしい温泉」といえよう。

 

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