※本コラムは2025年6月の繁栄への着眼点を掲載したものです。
社長の仕事の9割は、「伝えること」だ。
創業当時は、創業者は一人で何でもこなさないといけない。それが売り上げが上がり、一人では手が足りなくなると人を雇わないと仕事が回らなくなる。社員というのは社長の代行業なのである。その社員に、どういう気持ちでお客様に接してほしいのか、どういう気持ちで自社商品の良さを伝えてほしいのか、正確に伝えなくてはいけない。伝えることなくして理解はない。理解してもらい実行をすること。理解なくして実行はない。実行してもらい結果を出すこと。実行なくして結果はない。
株式会社は、結果である利益を出さなければいけない。そしてそれを給料に反映させていかなくてはいけない。それだけではダメで、最終的には社会に役立っていることが重要だ。それが社員のやりがいであったり、働きがいとなるからだ。
その一番要である「伝えるための言葉」を意識してほしい。本質を見極め、複雑化をさけること。会社というのは人の集合体だ。様々な人がいる。製造業であれば、正社員のみならず契約社員、パートさんもいる。その誰にでも理解できる言葉を使わなければいけない。
先日、お客様の事業発展計画発表会で基調講演をした時のことだ。講演の最後に、主役である社員さんに向けての言葉を贈った。「人は小さな失敗を積み重ねることで成長をする。だから失敗を恐れてはいけない。何よりも悪いのは失敗を恐れて実行をしないことだ」などという話をした。皆、メモを取りながら聴いてくれていた。
懇親会の社員表彰の際、受賞した一人の社員さんが壇上で一言促されこう言った。「先ほどの太陽先生の講演で言われたように、ミスにミスを重ねて頑張ります」私は椅子から落ちそうになった。ニュアンスがまるで違う。ミスにミスを重ねたら、それは多重事故という。車3台以上が絡むやつだ。小さな失敗とはいわない。
私は、「ちょっと待てい」などとツッコミを入れ、壇上に上りマイクを掴んだ。皆笑っていた。「『人は小さな失敗を積み重ねることで成長をする』と言ったのであって、ミスにミスを重ねろとは言っていない。自分の都合のいいように解釈したらダメだよ」などと笑いを交えて言った。あくまで場を壊すことなく。
人というのは、自分の都合のいいように解釈するものだ。
言葉とは人に何かを伝えるために存在するが、言葉がある限り自分の想いを100%伝えることは不可能だ。これが言葉の矛盾だ。繰り返し言うが、だからこそ誰にでも理解できる言葉を使わないといけない。
カタカナ、アルファベットなど使うのも、もっての外だ。そういう人は、「僕、私、こんな言葉知ってるよ」とばかりに知識でマウントを取りたいのだろうが意味がない。逆に自信のなさの表れでしかない。
言葉も、経営も、複雑化すればするほど持続性が疑わしくなる。できるかぎり単純化すること。社長はそれを心がけてほしい。
※本コラムは2025年6月の繁栄への着眼点を掲載したものです。






























