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社長業

第33回 社長の人生観・死生観

繁栄への着眼点 牟田太陽

※本コラムは2021年12月の繁栄への着眼点を掲載したものです。

 人は目の前のことに捉われるあまり、もっと大事なことを見逃しがちである。
 当たり前のように今日が来て、そして必ず明日が来ると信じて日々を過ごす。社長ともなれば、不意に問題が斜め上から降ってきて、それを丁寧に丁寧に解決しなくてはいけないことも多々ある。忘れてしまうことは仕方ない。私もそうだ。

 「野火焼尽春風吹又生」

 野火がどんなに激しく燃えても、草を焼き尽くすことは出来ない。根さえしっかりと張っておけばやがて春風と共にまた新しい生命の芽を吹き出し、やがて緑の草原となる。これは日本経営合理化協会の最初の理念である。変更もしたが、今見てもこのコロナ禍でピッタリとくる言葉である。

 これにはもう一つの考え方がある。「根っこ」とは煩悩のことを指す。「どんなに自分を律し生活をしていても、煩悩とは尽きることがない。油断をするとまたふつふつと湧いてくるものである。だから律し続けなければならない」というものだ。

 2022年が始まる。このタイミングでもう一度自分と向き合う機会を作るためにこのテーマを選んだ。自分の正義を貫き社長として生きたいと思う。「正義とは人の数だけ存在する」とは私の各講義の中で言っている。日本全国、多くの社長と会って話を聴いていると本当にそうだと感じる。

・新事業でやるべきこと、手を出してはいけないこと ・新事業撤退のルール ・役員報酬のルール ・法令順守 ・社会貢献…

 同じエリアに会社がある社長が2人いた。何でも悩みも話し合う親しい中であった。あるとき片方の社長が、「同じエリアに全く同じことをするライバル会社が出来た」と調べてみると、なんとその親しい社長の新事業であった。それからその2人は疎遠になってしまった。新事業の撤退は期限なのか、利益なのか。役員報酬は業績と連動しているか。

 法令順守は当たり前だが、グレーをどこまで許容するのか。令和の時代、「脱炭素」も努力目標が掲げられるだろう。どこまで自分の正義を持っているのか。今一度考えてほしい。何でもいいから自分の正義を持って生きてほしい。ガチガチに考える必要はない。それこそ、目の前のことに捉われるあまり、もっと大事なことを見逃してしまう。

 会社がどれだけ大きくても、自宅がどれだけ大きくても、乗っている車がどれだけ見栄えが良くても、名声がどれだけあっても、銀行口座の残高がどれだけ高くても、関係なく「死」は誰でも平等に訪れる。いざその時になるとジタバタしてしまうのが人間だ。普段からそのように考え生きてほしい。それが人生観・死生観というものだろう。このコロナ禍でいろんなものを見ただろう。我先に物を買い占める人、他人の正義を否定する自粛警察と呼ばれる人、陽性者に対する村八分、我先にワクチン接種をしようとする人。実にあさましい。

 この二年近く、コロナによって世界で多くの人が亡くなった。「今日、自分が何となく生きている一日は、誰かが一生懸命に生きたかった一日かもしれない」そう思うようにしている。何となく生きていてはいけない。だからといってガチガチに生きる必要もない。自分の正義を貫き、人間らしく喜怒哀楽を持ち、仕事も遊びも一生懸命やっていきたい。

※本コラムは2021年12月の繁栄への着眼点を掲載したものです。


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