スマホ、ノートPC、デジタルカメラ、イヤホン、そしてモバイルバッテリーなどなど、身の回りにはバッテリーを内蔵した携帯機器が溢れています。
通常、これらの機器を充電するには、家庭用コンセントからの交流電力(AC100V)を直流(DC)に変換する必要があり、この際に使用する変換器を「AC/DCアダプター」と呼んでいます。
長らく、AC/DCアダプターは、各機器が必要とする電流と電圧に対応した専用品が付属していましたが、現在は「USB」に統一される方向で動いています。これは、充電器やケーブルを汎用化して兼用することで、資源の節約や利用者の利便性向上につながると考えらるためです。
現時点では、機器を購入すると充電器やケーブルが付属しているケースが多いですが、今後は、徐々に削減される見込みです。因みに、つい最近、iPhone12が発売されましたが、充電器を付属していないとことでも話題になっています。
さて、このAC/DCアダプター。昔から見映えが変わらず、どれも同じに見えますが、実は、技術面で大きな転換期を迎えているのをご存知でしょうか?
GaN(窒化ガリウム)という半導体素子を用いたタイプが登場し、ヘビーユーザーの注目を集めています。GaN素子を利用すると、電力の変換ロスが少なく発熱も抑えられ、ユーザーにとっては、「小型で大出力」というメリットがあります。
このGaNは、元来、太陽電池関連や電気自動車など、比較的大電力を扱う用途でメリットが大きく、その後、研究が進んで普及したことにより、特性とコストの両面で、モバイル機器でも利用できるようになったという訳です。
具体的には、従来のスマホに付属しているアダプター相当の大きさで、超急速充電や、パソコン(受電にUSB TypeC端子を使用)への給電(充電)もできるので、上手く利用すると、例えば出張時に荷物を減らすことができます。
具体的に製品をご紹介しましょう。
製品例1: エレコム ACDC-PD0630
一般的なスマートフォンに付属のアダプターと同等のサイズ感で、最大6倍に相当する30W(20V/1.5A)もの電力を供給できます。
USB Type-Cの規格「PD」(Power Delivery/アダプターと機器が通信して、最大電圧で給電)に対応した機器と組み合わせると、超急速充電ができるという訳です。
iPhoneに充電する場合は、Type-CからLightning(iPhone用)に変換する「変換ケーブル」(別売)で対応可能です。
製品例2: RAVPOWER RP-PC133
Apple社純正の60W USB-C充電器に比べ、大きさが約半分とコンパクト(同社調べ)とのことで、これがGaNを採用した本製品のメリットです。
どれも同じに見えて、実は進化しているAC/DCアダプター。最新技術を知って、持ち物の削減、そして効率化を!