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第47講 カスタマーハラスメント対策の実務策㉞『本人の謝罪がほしい!』第1部

クレーム対応の新知識と新常識

それはカスタマーハラスメントではありません!
⑦『本人の謝罪がほしい!』《1部/2部作》

 企業のクレーム対応の技術として特殊な行為はたくさんありますが、その1つとして、とても大切なことが、張本人をお客様に謝罪をさせないことにあります。

 張本人というのは、クレームを発生させる原因を作ってしまった担当者のことです。業務にミスをしてしまってその結果、お客様にご迷惑をかけてしまった担当者だったり、失礼な言葉をお客様に言ってしまった担当者だったり、対応の説明が間違っていた担当だったりと、実務でお客様が怒りのターゲットにしている担当者のことです。

 まず、その本人とは別の担当者やリーダーがこのお客様の対応をしている場面を想像してください。お客様はその対応の中で、「本人に謝罪をさせてください!」とか「本人が謝らないと気が済みません」とか「本人を連れてきてください」とか「本人と話がしたいから代わってください」と言った場合、張本人をお客様の前に出すべきか、出さざるべきかということになりますが、張本人をこのお客様の目の前に出さない、このお客様の対応をさせないが、正解です。

 お客様が「張本人」と対話をすることを求めているのに、それを断るなんて、それはそれで、余計に怒りが高まるのではないかと心配になると思います。余計に怒りが高まることは誰でも想像できますね。

 しかし、私のクレーム対応がめざしているものは、相手が怒っても、怒りが高まっても、企業として、正しいことを行うことです。それでは、張本人をこのお客様の目の前に出すことは、なぜ正しくないのかを説明します。今、お客様の怒りのターゲットとなってしまった担当者がいます。なぜ、怒りのターゲットになったのかは、この担当者を出すか出さないかとは関係がありません。言い換えれば、この担当者が悪いということであれば、お客様の前に出すが、この担当者が悪くないのであれば、お客様の前には出さないということではありません。

 この担当者が、悪くても悪くなくても、お客様の怒りのターゲットになった本人は、お客様の前には出さないでください。なぜ、出さないのか。

 例えば、この担当者の対応が悪かったり、お客様対応にミスがあったりしたとします。だから、このお客様は、その担当者に怒りを高めるわけですが、この担当者が本当に失礼な態度や言葉で対応したとしたら、その責任はその企業にあります。この担当者の教育・育成ができていなかった、つまり指導をしていなかった企業が悪いのです。たとえ、この担当者が、企業の教育を習得できなかった未熟な担当者だったとしても、未熟なまま業務を担当者させ、未熟な対応スキルのまま放置している企業に問題があります。なので、この本人となる担当者がお客様に謝罪をするのは、筋違いなのです。

 また、この担当者が企業の指導したままの対応をしているのに、お客様の怒りを買ってしまい、お客様の怒りのターゲットになってしまった。そして、お客様はその担当者の謝罪が欲しいと言っている。という場面なのであれば、なおさら、この担当者がお客様の目の前に出る必要はなく、企業として、別の担当者か、リーダーか先輩か上司がこのお客様の対応をしなければなりません。なぜなら、この担当者は、そもそも当該企業から、「お客様対応では、こうしてね」と言われたことを、言われたとおりにしたわけですから、お客様の怒りは、この担当者のせいではないのです。

 お客様の怒りのターゲットになってしまった担当者がまずい対応をした、ミスを発生させたとしたら、企業がこの担当者を教育できていないことが原因。また、企業のルール通りの対応をきちんと行なったが、お客様の怒りのターゲットになってしまった担当者がいたとしたら、それは、この担当者に原因があるのではなく、企業に問題がある。だから、「その担当者に謝らせろ!」と言われても、その担当者を出してはいけないのです。

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