添付のグラフをご覧ください。
1ヶ月TIBOR(タイボ)の金利推移です。(TIBORについては、後程改めて説明します。)
2月1日に0.11%だったのが、2月18日には、0.08%まで下がりました。
その後、0.07%台で安定していました。
が、4月18日以降、一気に下がり出し、4月22日時点で、0.04%になりました。
2月18日時点の、さらに半分です。
その後は、0.034%まで下がり、この原稿を書いている5月末時点まで、安定推移している状況です。
「0.2%台、あるいは0.1%台になりました!」
という声が、あちらこちらから聞こえてきます。
スプレッド(上乗せ金利)は、0.2%~0.1%が多く、結果、TIBOR(タイボ)+スプレッド(上乗せ金利)の合計が、0.2%台や0.1%台に、なるというわけです。
その時点と比べると、なんと3分の1以下です。
ちなみに、グラフ左上に、参考データとして、2008年、2009年の年初データも記載しておきました。
2008年の0.6833%と比べると、なんと今や、20分の1になっているのですよ!
いったいどこまで下がるのか?という感じです。
“タイボがマイナスになったら、0%換算でお願いします!”と、銀行の融資担当者が申し入れてきた、という現実の話もあるのです。
と、まさにうれしい悲鳴が聞こえるのです。
Tokyo in Banking Offered Rate(東京銀行間取引金利)を、その頭文字から、略してTIBOR(タイボ)と読んでいます。
銀行間で、お金を互いに融通しあう際の、取引金利です。
月曜日から金曜日まで、取引されています。
日本経済新聞の、概ね17ページの中断左側あたりに、前日の取引結果が掲載されています。
上海の銀行間なら「SHAIBO(シャイボ)」、ロンドンの銀行間なら「LIBOR(ライボ)」と言われています。
ライボでは、一昨年前、金利操作の不正問題が起こり大問題になりましたね。
期間が長くなるほど、金利は高くなります。
中小企業の借入時によく使われているのは、1ヶ月のTIBOR(タイボ)です。
先の折れ線グラフは、1ヶ月のTIBOR(タイボ)の推移です。
つまり、変動金利です。
「そろそろ金利も上がると思うのですが…。」
と言っていた銀行の方は、自行が有利になるための固定を進めてきたのですが、今、どう感じているのでしょうか?
そのような声も、最近はすっかり聞かなくなりました。
TIBOR(タイボ)+スプレッド(上乗せ金利)変動性金利借入方式とは、単に、借入金利を決める、計算方法のひとつです。
借入期間を定めるものではありません。
5年や10年の長期借入金の金利を、TIBOR(タイボ)+スプレッド(上乗せ金利)の形にするだけです。
“そんな!1ヶ月ごとに金利を計算するなんて、大変じゃないですか!”といった勘違いです。
金利の計算を、その都度、借りる会社側でしなければいけない、と思ってしまっているのです。
そんな必要はありません。
銀行側で計算して、“今回の金利はこうなります。”と、持ってきます。
あとは捺印するだけです。たいした手間はかかりません。
この金利が下がる、ということは、“他の銀行に現金を引き取ってほしい!”“現金を手元に置いておきたくない!”“日銀に預けて、マイナス金利を払いたくない!”という銀行が多い、ということです。
つまり、現金のババ抜き状態なのです。
TIBORがマイナス0.1%、はありえないにせよ、マイナス0.01%や0.02%は、この先、まだまだありえるんじゃないか?と、思ってしまう状況なのです。
上乗せ金利をプラスして、+0.1%台なら御の字、という、未曽有の低金利時代の到来なのです。
結局、こうなる前に、TIBOR+スプレッドの条件を獲得していた企業が、最も恩恵を受けることになるのです。
だから、早く銀行交渉しなさい!と、言いたいのです。