「日本への恩返しを『事業』でするアメリカ人」(後編)
■最高の甲州をつくれる場所はどこだ?
さらに面白いのは、「甲州ぶどうだから山梨でつくる」という常識にも縛られなかったことだ。
朝霧高原、山梨、長野など各地で栽培実験を行い、より良いぶどうが育つ場所を探し、辿り着いた一つの答えが、富士山麓だった。
2011年に富士山ワイナリーの醸造所が完成。
その後、自社ぶどう園を育て、2024年には「Café SHIZEN」をオープン。
今では、「ワインをつくる会社」から、「富士山・農業・ワイン・食・観光を一体化した体験を提供する会社」へと進化した。
■「モノ売り」から「物語への参加権売り」へ
今回、臥龍が参加した特別ツアーも印象深かった。
ぶどう畑を歩き、ワイン用のぶどうの育成と収穫を聞いたが、「弊社の社長は無農薬・自然に鍛えられるタフなぶどう作りへのこだわりがあるんです」という説明が印象に残った。
更に醸造所視察で、ワインが生まれる現場を見て、造り手の話を聞く。
5種類のテイスティングする(しかもお代わり自由)。
しかも、運が良ければ、富士山が眼前にでっかく見える。
地元の食材を味わう(美味しかった。この日のメインが鶏だったので、もし可能ならとお願いしたら、牛に変えてくれた!)。
そして気に入ったワインを買って帰る(臥龍は、スパークリングと限定赤ワインを求めた)。
ワインという「物」だけを買うのではなく、その一本が生まれる「物語の中に入る体験」を買っていることになる。
これは、多くの中小企業にとって大きなヒントになる。
第二創業というと、「新商品を開発しなければ」「新しい事業を始めなければ」と思いがちだが、視点を変えれば、「今ある経営資源のつなぎ方を変える」だけでも、新しい価値は生まれる。
富士山ワイナリーでいえば、「ぶどう畑×醸造所×富士山×食×人×物語」だ。
一つひとつは既に存在していても、それをつなぎ直すことで、まったく新しい商品が生まれる。
■「日本への恩返し」を事業でする
そして臥龍が何より感動したのが、シンガー氏の動機だ。
彼は長年暮らしてきた日本への「恩返し」という想いを持って、ワインづくりに取り組んだ。
寄付やボランティアをすることも恩返しですが、「日本固有の甲州ぶどうを世界商品にする」「日本の農業に高い付加価値を生み出す」「日本ワインが世界へ出ていく道をつくる」という「事業」で恩返しをする。
素晴らしい生き方と思う。
経営者の皆さま。
あなたは、誰から恩を受けて今日がありますか?
親でしょうか?
恩師でしょうか?
社員でしょうか?
お客様でしょうか?
地域でしょうか?
あるいは日本という国でしょうか?
そして、その恩を、「次の世代に価値ある事業を遺す」という形で「恩送り」することはできないでしょうか?
「最高の恩返しとは、次の世代に価値ある事業を遺すという恩送りだ」(臥龍)
今日も一日、社長自身が「何のために事業をするのか?」を問い直す一日でありますように!
なおあなたも、是非、現地で上記の事業価値を体感してみてください。
富士山ワイナリー・特別ツアーのご予約は⇒ https://cafeshizen.jp/
ちなみに臥龍、次回は、12月6日に行く予定だ。
東京より愛を込めて。臥龍
2
























