スポーツの世界大会で、日本に勝利をもたらす外国人選手の活躍に注目が集まっている。
「ラグビーワールドカップ2015」で、日本代表チームが強豪の南アフリカを破り
歴史的大金星を挙げたが、メンバー31人中、外国出身選手は実に10人。
「外人ばっかじゃん」「もはや、どこの国のチームかわからない」などと違和感を訴える声も多い。
しかし、彼らの多くは日本育ちで日本国籍を取得していたり、
日本国内のトップリーグで長くプレーしている日本在住の選手だ。
外国出身であっても日本チームにかける思いは何ら変わらない。
また、2020年の「東京オリンピック」に向けて、
日本人と外国人のハーフの男女陸上選手の活躍に期待が高まっている。
彼らが持つ身体能力と意識の高さは、日本人のハーフどころか"ダブル"だ。
見た目や生まれた国がどうであろうが、日本育ちで日本国籍を持っていれば、
当然、法的にも、「外国人」ではない。
日本の歴史・伝統・文化を理解しようと努め、敬意を表するのであれば、文化的にも日本人であり、
日本人以上に日本の心を大切にしている人も少なくない。
彼らを、いつまでも、外の人=「外人」などと呼ぶのではなく、
日本に勝利をもたらし共に凱(かちどき)を挙げる「凱人」として応援しよう!
◆「ラグビーワールドカップ2015」で日本が南アに逆転勝ちで歴史的勝利!
「ラグビーワールドカップ2015」の初戦で、日本代表チームは、
過去2度の優勝を誇る強豪南アフリカに34ー32の逆転勝ちで歴史的勝利を収めた。
南アフリカは世界ランキング3位、日本は13位。
あらゆるスポーツの中で、番狂わせが最も少ないと言われるラグビーで、
日本は世界の歴史を変えたのだ。
ワールドカップにおける日本の勝利は、1991年のジンバブエ戦以来、通算25試合で2勝目の快挙に、
日本中が勝利に沸き立ち、突如としてラグビーに注目が集まった。
★日本チーム、ありがとう!ラグビー・ワールドカップ初戦で過去2度の優勝を誇る強豪南アフリカに34―32の逆転勝ちで歴史的勝利!南アフリカは世界ランキング3位、日本は13位。あらゆるスポーツの中で、番狂わせが最も少ないと言われるラグビーで、日本は世界の歴史を変えた。イギリスの大手ブックメーカーのウィリアムヒルは、18日の時点で南ア戦で日本が勝利した場合の掛け金の倍率は34倍、南アが勝利した場合の掛け金の倍率はなんと1倍としていた。つまり、南アが勝っても儲けはゼロで、南アの勝利を「確定的」と分析していたのだ。ワールドカップにおける日本の勝利は、1991年のジンバブエ戦以来。通算25試合で2勝目。南アは平均身長193センチで、パワー世界一と評されている。一方の日本は平均身長は187センチしかなく、「サイズもスピードも(生まれ持った基礎)体力も負けているし、パスも遠くに投げられない」(ワールドカップ前に田中史朗選手)。「身長を今からあと10センチ伸ばすのは難しい。だけど、ラグビーを考えることは誰にでもできる」(同・田中史朗選手)身体能力ではかなわないからこそ、頭脳で活路を開いた。身長差を逆手に取り、姿勢の高い相手に対し低いタックルを徹底。ラインアウトでは無理に競り合わず、マイボールでは再三にわたりショートラインアウトを選択。そして、最後まであきらめずに攻める心の強さに勝利の女神がほほえんだ。試合は緊迫した展開が続き、前半は南アが12―10でリードして折り返す。後半のロスタイムの終了間際に南アがペナルティ。しかし、そこで、日本は同点に追い付けるキックではなくスクラムを選択。カーン・ヘスケス選手が逆転トライを決めた。試合後、「これは奇跡ですか?」 と聞かれた副将の五郎丸歩選手は「必然です」と答えた。「ラグビーに奇跡なんかない。今まで、このためにやってきましたから」と真剣な表情できっぱりと述べた。チームワークと頭脳と心の強さで勝ち獲った勝利は、日本のあらゆる分野の人々に夢と希望と大きな力を与えてくれた。ありがとう、日本チーム!さあ、23日には、次の標的、世界ランキング10位のスコットランドと対戦だ。みんなで応援しよう*\(^o^)/*そして、次回、2019年のラグビー・ワールドカップ日本大会につなげよう!※追記:外国出身選手についてラグビー・ワールドカップのイギリス大会に挑んでいる日本代表には10人の外国出身の選手が名を連ね、全31人に占める割合は3割を超えている。しかし、主将でニュージーランド出身のリーチ・マイケル選手も、トンガ出身のホラニ龍コリニアシ選手も、高校時代に来日し、日本育ちで日本国籍も取得している。ニュージーランド出身で帝京大卒のツイ・ヘンドリック選手も日本国籍を取得し、「大学から日本に来てラグビー以外でも育ててもらった。日本のためにプレーできてうれしいし、恩返しのためにも試合で100%体を張る」と宣言している。他の選手も全員が、現在、日本国内のトップリーグでプレーしている日本在住の選手だ。トンガ出身のアマナキ・レレイ・マフィ選手は母国の代表入りを断って日本代表を選んだ。外国出身でも日本チームにかける思いは何ら変わらない、日本代表選手にふさわしい選手たちだ。
Posted by 西川 りゅうじん on 2015年9月19日
◆代表選手の3割以上が外国出身選手に違和感?
しかし、一方で、31人の日本代表選手のうち10人が外国出身で、
全体の3割を超えていることに違和感を感じる声が高まった。
見た目も人種も日本人的ではない選手が目に付くため、
「さすがに外国出身選手が多すぎる」「もはやどこの代表かわからない」「感情移入しにくい」
といった意見がSNS上などで飛び交った。
2011年の前回のワールドカップの際にも外国出身選手の多さが話題を呼び、
スポーツ雑誌「Number」が、ウェブサイト上でアンケートを行った。
「勝つためには当然」の回答が45%で最も多かったものの、「さすがに多すぎる」が42.5%と僅差だった。
「日本人だけで戦ってほしい」という回答も12.5%あった。
◆外国出身選手の半数は日本国籍で、全員が日本に人生をかけている
実は、ラグビーのワールドカップで日本代表選手になるためには、国籍は必ずしも必要ではない。
国際統括機関「ワールドラグビー」では、
(1)本人が当該国生まれ
(2)両親か祖父母の1人が当該国生まれ
(3)本人が3年以上継続して当該国に住んでいる
の3条件のいずれかを満たせば、代表資格があると定めている。
しかし、他国での代表選手としての出場歴がある場合は認められない。
日本代表が、上記の条件を満たしていることは言うまでもない。
ワールドカップに出場している20チームの中でも、日本の31人中10人が外国出身選手というのは、
特段、多いわけでもない。
サモアは15人、トンガは12人、ウェールズとスコットランドは11人、
フランスも日本と同じ10人の外国出身選手がいる。
しかも、今回、イギリスで開催された「ラグビーワールドカップ2015」の大会に挑んでいる
10人の外国出身の選手のうち、実に5人は日本国籍を取得している。
見た目や生まれた国がどうであろうが、日本育ちで日本国籍を持っていれば、
当然、法的にも日本人であり、「外国人」呼ばわりするのは失礼だ。
日本代表チームの主将でニュージーランド出身のリーチ・マイケル選手も、
トンガ出身のホラニ龍コリニアシ選手も、高校時代に来日し、日本育ちで、
日本国籍を取得している。
ニュージーランド出身で帝京大学卒のツイ・ヘンドリック選手も日本国籍を取得し、
「大学から日本に来てラグビー以外でも育ててもらった。
日本のためにプレーできてうれしいし、恩返しのためにも試合で100%体を張る」
と宣言している。
他の選手も全員が、現在、日本国内のトップリーグでプレーしている日本在住の選手だ。
トンガ出身のアマナキ・レレイ・マフィ選手は、母国の代表入りを断って日本代表を選んだ。
もはや、トンガはもとより他国の代表選手としてワールドカップに出場はできない。
もともと外国出身であろうがなかろうが、彼らは日本に自分の人生を賭けているわけで、
日本チームへの思いは何ら変わらない。
◆「君が代」を肩を組んで熱唱する姿に感動
試合を重ねるごとに、試合前の国歌斉唱で、日本出身の選手も外国出身の選手も一緒に肩を組み、
「君が代」を真剣な表情でしっかりと口を開けて熱唱する姿に感動の声が広がった。
「外国人選手も君が代を歌ってて胸熱!国籍なんて関係ない」
「代表として敬意を払ってくれているんだなあと感動」
「外国出身の代表選手が君が代を歌ってる姿を見てもう泣きそう」
「色々な人種や出身国の選手が肩を組んで君が代歌ってるのいいよな~」
しかも、外国出身の選手は、ただ丸暗記で歌っているわけではない。
リーチ・マイケル主将は、「試合の前の合宿中には、必ず全員で君が代の練習をします」と述べている。
また、「君が代の中身を自分たちにつなげて、歌詞を理解して歌わないとダメだと思います」とも話す。
日本語がまだ不自由な選手のために、「君が代」の歌詞を模造紙にローマ字で書き、
その下に英訳を付して、リーチ主将が意味をレクチャーするのだという。
日本で生れ育っても、「君が代」の歌詞の意味を知らないどころか、
まともに歌えない人もいるかも知れない。
ラグビーワールドカップに挑む選手たちは、まぎれもない日本代表選手であり、
日本を代表するにふさわしい人たちだ。
日本代表のワールドカップ最多得点記録を更新した五郎丸歩選手は、決戦を前にして、
ツイッターを通じて呼びかけた。
「ラグビーが注目されてる今だからこそ日本代表にいる外国人選手にもスポットを。
彼らは母国の代表より日本を選び日本のために戦っている最高の仲間だ。
国籍は違うが日本を背負っている。これがラグビーだ。」
日本代表選手たちの活躍を応援し、次回、日本で開催される「ラグビーワールドカップ2019」で、
日本中一丸となってトライを決めよう!
◆サニブラウン選手よ、日本人初の世界最速男に輝け!
一方、2020年の「東京オリンピック」に向けて、
日本人と外国人のハーフの男女陸上選手の活躍に期待が高まっている。
彼らが持つ身体能力と意識の高さは、日本人のハーフどころか"ダブル"だ。
中でも、世界最速男・ウサイン・ボルト選手を抜く可能性があると注目を集めているのが、
サニブラウン・アブデル・ハキーム選手(16)である。
2015年7月、コロンビアで行われた「陸上世界ユース選手権」の男子100メートルと200メートルで、
日本記録を更新し、堂々の2冠に輝いた。
しかも、200メートルでは、2003年大会における当時のウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)の
大会記録20秒40を上回る20秒34の大会記録をマークし、世界を震撼させた。
現在、東京の城西高校2年生のサニブラウン選手は、アフリカ・ガーナ人の父と日本人の母を持つハーフで、
日本の福岡県で生まれ育った。
父親は若い頃、サッカーが得意で、母親はインターハイ出場経験もある元陸上選手で、
両親から"ダブル"の遺伝子を受け継いでいる。
サニブラウンも小さい頃はサッカーが好きだったとのことだが、母親の影響もあり、
小学3年から陸上を始めた。
「陸上にハマったのは結構最近で、レースに招集されてからスタートの合図が鳴るまでの
独特の緊張感が楽しめるようになってきた」という。
187センチの長身から繰り出される大きなストライド(歩幅)を武器に、
世界の舞台で、日本人初の世界最速男に輝いてもらいたい。
◆ジャマイカ人の父と日本人の母を持つケンブリッジ飛鳥選手
また、ジャマイカ人の父と日本人の母を持つ、ケンブリッジ飛鳥アントニオ選手にも、
大きな期待が集まっている。
2歳までジャマイカで暮らした後、来日し、深川第三中学校在学中から陸上を始め、
頭角を表し、活躍中だ。
東京高校を卒業し、現在、日本大学文理学部在学中の22歳。
2015年4月の「織田記念国際グランプリ」の男子100メートルで、注目の桐生祥秀選手らを破って初優勝。
また、5月の関東インターカレッジでも、100メートル決勝でも初優勝を果たした。
自己ベスト は、100メートル10秒21 (2014年)、 200メートル20秒62 (2013年) 。
◆陸上ファンの目をクギ付けにするヘンプヒル恵選手
女子選手の中で、陸上ファンの目をクギ付けにしているのが、ヘンプヒル恵選手だ。
父がアメリカ人、母が日本人で、京都府京田辺市の出身。
京都文教中学・高校時代から日本記録を塗り替え、現在、中央大学に通う、
日本の女子陸上界を担うアスリートである。
2日間で、100メートルハードル、走高跳、砲丸投、200メートル、走幅跳、やり投、800メートルを行い
総合得点を競う七種競技や短距離走などでも活躍している。
中学3年で、全国中学校体育大会の四種競技で優勝。高校2年で全国高校総体の七種競技で優勝。
2015年2月の「日本ジュニア室内陸上競技大会」の女子七種競技では、
大会新、日本ジュニア新、学生新記録となる5678点を獲得した。
◆アフリカと日本のハーフ女子選手に注目!
エドバー・イヨバ選手は、ナイジェリアと日本人のハーフで、神奈川県生まれの日本国籍を持つ。
現在、東京高校の3年生だが、短距離走で圧倒的な速さを誇っており、
インターハイ100メートル、日本ユース100メートル、日本ジュニア室内女子60メートルで優勝している。
ケニア生まれの高松望ムセンビ選手は、中長距離走者として最も金メダルに近い人だ。
父は2001年の「長野マラソン」で優勝したケニア人のマクセル・ムセンビ、母は日本人。
大阪の薫英女学院中学校時代に、全国中学生大会1500メートルを2連覇。
2013年の「全国都道府県対抗女子駅伝」で、3区で6人を抜き去り、9年ぶりに区間新を更新した。
2014年8月の中国・南京に行われた、ユースオリンピックの3000メートルでは、
9分01秒58の自己ベスト記録で金メダルを獲得した。
◆「あなたは日本人ですか?」という質問に対する王貞治監督の答え
言うまでもなく、野球、サッカー、相撲では、現在に至るまで、
数多くの外国出身選手やハーフの選手が活躍して来た。
その中で、現在も存命で、最も知名度が高く、日本に最も大きな貢献をして来られたのは、
王貞治監督に違いない。
プロ野球選手として、通算本塁打868本を記録し、巨人のV9に貢献。
読売ジャイアンツ監督、福岡ソフトバンクホークス監督・取締役会長、
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表チーム監督を歴任された。
1977年に創設後初の国民栄誉賞を受賞、2010年には文化功労者として表彰されている。
王監督の父の王仕福さんは中国浙江省の出身で、20歳の時に先に来日していた親類を頼って
日本に出稼ぎに来た。
最初は工場勤めだったが、料理を覚え、東京・墨田区で中華料理店を営むようになる。
戦時中は敵国人だったため、日本人の妻の親族から正式な結婚を許してもらえなかった。
そのため、終戦後、中華民国(台湾)籍を取得し、正式に結婚するまでは、王監督と兄弟は、
表向きは王姓を名乗りつつも、法的には日本国籍の母親の私生児だった。
王仕福さんは、生涯を中華民国籍の在日中国人として全うした。
王監督も、現在も、日本国籍、中華人民共和国国籍ではなく、中華民国籍である。
監督は、父親の遺志を尊重し、世界のホームラン王として国際的に有名になった今、
政治的意味合いを帯びることを避けるため、国籍を変えないのだそうだ。
王監督が、父の仕福さんから叩き込まれた教えは、「日本に来て、日本に生かされている」だったという。
ワールド・ベースボール・クラシック (WBC) の監督を務めた際に、海外メディアから、
「あなたは日本人ですか?」と質問された際、王監督は以下のように答えた。
「父は中国人だが、母は日本人です。私は生まれた時より日本で育ち、日本の教育を受け、
日本のプロ野球人として人生を送ってきました。疑うことなく日本人です」。
外国から来ようが、親が外国人であろうが、日本を愛し、日本のために戦ってくれている選手は、
日本代表選手に違いない。
いつまでも、外の人=「外人」などと呼ぶのではなく、
日本に勝利をもたらし共に凱(かちどき)を挙げる「凱人」アスリートとして応援しようではないか!